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RPAエンジニアは未経験・事務職から目指せる?「AIに置き換わる」説と2026年の入口を正直解説【2026年版】

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毎日、同じ形式の請求書を開いては、同じ欄の数字を別のシステムに打ち込む。月末になると、決まったレポートを決まった順番で出力して、決まった宛先にメールする。

事務の仕事をしていると、「これ、自分がやらなくてもいいのでは」と思う瞬間があります。そして多くの人が、そこで一度は同じ言葉に行き当たります。RPA——ロボティック・プロセス・オートメーション。パソコン上の定型作業を自動化するソフトです。

「自分の手作業を自動化する側に回れるなら、事務の経験も無駄にならないのでは」。この発想は、実はかなり筋が通っています。未経験からIT職を目指すルートとして、RPAが繰り返し紹介されるのには理由があります。

ただし、同じくらい正直に書いておかなければならないことがあります。2026年のいま、RPAには「生成AIやAIエージェントに置き換わって、いずれ消えるのでは」という重い問いがついて回っています。この問いを避けて「未経験におすすめ!」とだけ書く記事は、あまり信用しないほうがいいと思います。

この記事では、RPAエンジニアの仕事の中身、事務職経験がどこまで武器になるか、AI置き換え論をどう受け止めるべきか、未経験の入口が実際にどこにあるか、そして最初の3ヶ月で何をすればいいかを、確認できた事実だけをもとに整理します。

RPAエンジニアは、実際には何をする仕事か

「ロボットを作る人」と紹介されがちですが、実物のロボットは出てきません。UiPath、WinActor、Power Automate といったツールの画面上で、「この順番でこのアプリを開き、この欄をコピーして、こちらに貼る」という手順書(シナリオと呼びます)を組み立てる仕事です。

ただ、シナリオを作る作業は、仕事全体の一部でしかありません。実務は大きく次の3つに分かれます。

  1. 業務のヒアリングと切り分け:現場の担当者から「毎日やっている作業」を聞き取り、自動化して効果が出るもの・出ないものを見極める
  2. シナリオの開発とテスト:実際にツール上で手順を組み、例外パターン(データが空だった、画面が出てこなかった)でも止まらないように作り込む
  3. 運用と保守:稼働後に業務が変わればシナリオを直し、止まったときの原因を調べて復旧させる

未経験の入口として求人が出やすいのは、実は3番目の運用・保守と、2番目の一部です。この点はあとで詳しく触れます。

必要なスキルとしては、ツールの操作に加えて、VBAやPythonといった簡単なプログラミングの素養、そして業務を分解して考える力の3つが挙げられることが多い職種です。「まったくコードを書かない」わけではない、という点は最初に押さえておいてください。

なぜ「事務職からのルート」として名前が挙がるのか

RPAが事務職経験者と相性がいいと言われる理由は、はっきりしています。自動化の成否を分けるのは、ツールの腕前よりも「どの業務を、どこで切って自動化するか」の判断だからです。

事務処理をやったことがない人がシナリオを作ると、こういうことが起きます。表面上の手順どおりに自動化したものの、実は現場が月に数回だけ例外処理をしていて、そこでロボットが止まる。あるいは、自動化した工程の前後に人の確認が挟まっていて、結局トータルの時間が減らない。

前職で自分の手を動かして事務処理をしてきた人は、「この作業は例外が多いから自動化に向かない」「ここを自動化すると後工程の人が困る」といった判断が、最初からある程度できます。これは後から勉強して身につけるのが難しい部分で、実務では強みになります。

一方で、期待しすぎないほうがいい点も書いておきます。事務経験は「入社後に評価される要素」であって、「書類選考を通す要素」とは限りません。 求人票が求めているのがツールの実務経験である場合、事務経験だけでは応募段階で見送られます。ここを取り違えると、「事務経験があるから有利なはずなのに落ち続ける」という状態にはまります。書類が通らないときの原因の切り分けは、未経験のIT転職、書類選考で落ち続けるのはなぜ?も参考にしてください。

正直な注意点:「AIに置き換わる」説をどう見るか

ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。

生成AIが普及して、メールの下書きも、PDFからの情報の抜き出しも、データの整理も、AIにお願いすれば形になるようになりました。そうなると当然、「決まった手順どおりにしか動けないRPAは、もう要らないのでは」という声が出てきます。この疑問自体は、まっとうです。

ただ、実際に語られている整理は「RPAが消える」ではなく、役割の分かれ方が変わるというものです。調べた範囲では、次のような線引きが共通していました。

  • 決まった形のデータを、決まった手順で確実に処理する仕事(請求書の発行、定型レポートの出力、システム間の転記)は、いまもRPAのほうが向いている。手順が固定されているぶん、結果がぶれない
  • 形の決まっていない情報を扱う仕事(メールやPDFから必要な情報を読み取る、複数システムを横断して調べる)は、最初からAI側に任せたほうが早い

そして、AIエージェントの導入が進んだ企業ほどRPAの活用も広がっている、という指摘もあります。「片方が片方を食う」よりは、住み分けながら両方増えている、という状況のようです。

市場の数字も見ておきます。国内のRPAソリューションサービス市場は、2024年度の実績が999億円、2025年度見込が1,114億円、2026年度予測が1,242億円と、縮小ではなく拡大の予測が出ています(デロイト トーマツ ミック経済研究所の調査。最終確認日:2026-09-03)。

とはいえ、これを「だから10年安泰」と読むのは行きすぎです。現実的な受け止め方は、「RPAだけができる人」ではなく「業務を分解して自動化する人」になっておく、というものだと思います。 ツールがRPAからAIエージェントに置き換わっても、「どの業務をどう切り出すか」を判断する力は持ち越せます。逆に、特定ツールの画面操作しか覚えていないと、ツールが替わったときに手元に何も残りません。

この論点をもう少し広く扱った記事として、AI時代に未経験からITエンジニアを目指すのは無謀?もあわせてどうぞ。

2026年の求人は、実際どこが入口になっているか

「未経験可のRPAエンジニア求人」を探すと、多くの場合そのまま「RPA開発者」の求人が出てくるわけではありません。実際に未経験の入口になりやすいのは、次のような名前のポジションです。

  • RPA運用サポート/ロボット運用保守:すでに動いているロボットの稼働監視、エラー時の一次対応、簡単な修正
  • 業務自動化アシスタント/RPA推進アシスタント:現場からの依頼の受付、業務のヒアリング補助、既存シナリオの手直し
  • 社内の情報システム部門・RPA推進部門:自社の業務を自社で自動化する側

つまり、最初から新規のシナリオをゼロから設計する仕事に就くケースは少なく、運用・保守から入って開発に寄っていくのが標準ルートです。これはインフラエンジニアが監視業務から入るのと似た構造で、悪いことではありません。ただし、求人票を読むときには「入社後に開発工程に関われるのか、それとも監視と一次対応だけで数年が過ぎるのか」を必ず確認してください。ここを確認せずに入って後悔する人は、RPAに限らず多くいます。

年収については、公的な職種別統計が整備されている職種ではないため、転職メディアやフリーランス系メディアの解説記事で紹介されている目安を挙げるにとどめます。それらでは、未経験から2年ほどで400〜500万円台、3〜5年の経験で500〜700万円台という幅で紹介されていることが多いようです(最終確認日:2026-09-03)。あくまで各社の掲載レンジであって、地域・雇用形態・企業規模で大きく変わります。実際の金額は、応募先の求人票と労働条件通知書で確認してください。

事務職からRPAに近づく3つのルート

ここまでを踏まえて、現実的な進み方を3つに整理します。どれが正解ということはなく、いま自分の会社にRPAがあるかどうかで、有利なルートが変わります。

RPA | 事務職からの3ルート

事務職からRPAに近づく3つのルート

今の職場にRPAがあるかどうかで、向くルートが変わります

未経験からの入りやすさ開発スキルの伸ばしやすさ始めるまでの費用
今の会社でRPA担当に手を挙げる 転職せずに実績を作る 業務知識がそのまま武器になる 任される範囲は会社次第 転職せずに始められる
RPA運用サポート職でIT企業に入る 運用・保守からの入口 未経験可の求人が比較的ある 監視中心だと開発に進みにくい 働きながら学べる
スクールで学んでから応募する 体系的に基礎から RPA専門のコースは数が少ない 基礎から順に学べる × 受講料の負担が大きい
  • ※任される範囲・求人の中身は企業ごとに異なります。応募前に求人票と面接で確認してください

IT転職ナビ

いま勤めている会社にRPAが導入されている(または導入検討中)なら、社内で手を挙げるルートが最短です。 転職リスクを負わずに「業務を分解して自動化した」という実績が作れるためで、その実績はそのまま職務経歴書に書けます。逆に、導入予定がまったくない会社にいるなら、このルートは選びようがありません。

自分がどちらのタイプに向いているか整理したい方は、IT/Web転職タイプ診断(無料)で3分ほど確認してみてください。

資格は必要?RPA技術者検定とUiPath認定の「いま」

RPAは、資格が転職の必須条件になる職種ではありません。ただし、未経験で職務経歴に書けるものが少ない場合、学習の証拠として一定の意味はあります。ここは最新事情が動いているので、正確に書いておきます。

RPA技術者検定 アソシエイト(NTTデータのWinActor向け)は、WinActorの基礎知識を測る試験です。公式サイトの記載では、受検料7,150円(税込)、試験時間60分、多肢選択式50問(WinActorの概要10問・機能20問・シナリオ20問)、合格基準は正答率7割以上とされています(最終確認日:2026-09-03)。

UiPathの認定資格については、注意が必要です。 以前よく紹介されていた「RPA アソシエイト(UiRPA)」と「RPA デベロッパー上級(UiARD)」は、2024年3月1日をもって提供終了(リタイヤ)となっています。それ以前に取得した資格の有効期限も2026年10月13日までとされているため、古い記事を見て「UiRPAを取ろう」と決めるのは避けてください。現行の資格体系と受験料は、UiPathの公式認定資格ページで最新情報をご確認ください。

なお、資格を取ること自体より、取る過程で実際にツールを触って、動くものを1つ作ったかどうかのほうが面接では効きます。「テキストは読んだが手は動かしていない」状態は、面接で掘られるとすぐに分かります。

最初の3ヶ月でやること

やることを絞ります。同時に手を広げると、たいてい全部中途半端になります。

1ヶ月目:自分の業務を1つ、紙に分解して書き出す。 毎日やっている作業を、「どのアプリを開いて、何を見て、どこに入れるか」の粒度で書きます。例外パターン(データが無いとき、金額が合わないとき)も必ず書き添えてください。これはRPAの設計そのものであり、面接で「業務を分解できる人」だと示す材料にもなります。

2ヶ月目:無償版・試用版で、書き出した手順を1つだけ自動化してみる。 Power Automate のように、環境によっては追加費用なく試せるものもあります。完成度は問いません。「途中で止まった」「例外に対応できなかった」という失敗こそが、面接で話せる中身になります。

3ヶ月目:求人票を10件読んで、任される工程を比べる。 同じ「RPAエンジニア(未経験可)」でも、開発に関われるものと監視だけのものが混在しています。この違いを自分の言葉で説明できるようになったら、応募の準備は整っています。

そのうえで、応募先を自分だけで選ぶのが難しいと感じたら、未経験IT就職の支援サービスに相談してみるのは現実的な手です。RPAは職種名での求人検索がしづらく、「業務自動化」「運用サポート」など別の名前で募集されていることが多いため、求人の中身を知っている人に間に入ってもらう価値が比較的大きい領域です。

相談したからといって応募が決まるわけではありません。「今の自分の経歴だと、どのあたりの求人が現実的か」を聞いて、判断材料を増やす場として使うのが向いています。

よくある質問

Q1. プログラミングがまったくできなくてもRPAエンジニアになれますか。

入口の求人(運用サポートなど)であれば、応募段階でプログラミング経験を求めないものもあります。ただし、開発工程に進む段階では、VBAやPythonの基礎的な知識が求められる場面が出てきます。「一生コードを書かなくていい職種」ではない、と考えておくほうが安全です。

Q2. Excelマクロ(VBA)ができれば有利ですか。

有利に働く可能性はあります。処理の流れを組み立てる、条件分岐を書く、エラーを想定するといった考え方が共通しているためです。ただし、VBAはExcelの中で完結するのに対し、RPAは複数のアプリをまたぐ点が異なります。「VBAができるからRPAもすぐできる」と面接で言い切ると、そこを突かれることがあります。

Q3. 年齢が高くても目指せますか。

年齢によって難易度が上がるのは、RPAも他のIT職と同じです。ただ、RPAは業務知識が評価されやすい領域なので、事務や業務改善の経験が長い人にとっては、経験年数がマイナスになりにくい面はあります。とはいえ求人の絶対数は多くないため、「年齢が高くても大丈夫」と断言はできません。詳しくは40代・未経験からIT転職は「もう無理」?もご覧ください。

Q4. RPAの経験は、あとで他の職種に活かせますか。

活かせる方向はあります。業務分析と要件整理の経験は、社内SEや業務系のエンジニア、あるいは業務改善・DX推進といった職種で評価されることがあります。逆に、Webアプリ開発のようなコードを書く職種へ直接つながるかというと、そこは別の学習が必要になります。

まとめ

  • RPAエンジニアは「ロボットを作る人」というより、業務を分解して自動化できる形にする人。事務職の経験は、ここで武器になる
  • ただし事務経験は入社後に効く要素で、書類選考を通す要素とは限らない。求人票が求めているものを読み違えないこと
  • 「AIに置き換わる」説は無視すべきではないが、調べた範囲では消滅ではなく役割の住み分けとして語られており、国内市場も拡大予測(2026年度予測1,242億円)
  • 未経験の入口は「RPA開発」より「運用サポート」「業務自動化アシスタント」。開発工程に関われるかを応募前に確認する
  • 資格は必須ではない。UiPathの旧アソシエイト資格は2024年3月1日で提供終了しているため、古い情報を見て決めないこと
  • ツールに紐づくスキルより、業務を切り分ける力を意識して積む。ツールが替わっても持ち越せる

一番もったいないのは、「AIに置き換わるらしいから」と噂だけで検討をやめてしまうことと、「未経験でも簡単らしいから」と中身を確かめずに飛び込むことです。どちらも、求人票を10件読めば見え方が変わります。

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参考情報

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、転職・収入を保証するものではありません。