職種別転職

未経験からWebデザイナー、1社目は「制作会社」と「事業会社(インハウス)」どっち?違いと選び方を正直解説【2026年版】

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ポートフォリオを作り終えて、いよいよ求人を見はじめた頃に、多くの人がここでつまずきます。「Web制作会社」と書かれた求人と、「自社サービスのデザイナー(インハウス)」と書かれた求人が、同じ”Webデザイナー”という名前で並んでいる。

給与も勤務地も似ている。仕事内容の欄も、どちらも「Webサイトのデザイン制作」と書いてある。なのに、ネットで調べると「未経験はまず制作会社」と言う人もいれば、「制作会社はきついからやめとけ」と言う人もいる。どちらを信じればいいのか分からなくなる。

先に結論を書きます。**この2つは「同じ仕事を違う場所でやる」のではなく、そもそも仕事の回り方と評価のされ方が違います。**だから「どちらが良いか」に一般解はなく、あなたが最初の3年で何を身につけたいかで答えが変わります。

ただし、未経験の1社目という条件をつけると、判断の軸はかなり絞れます。この記事では、2つの違いを構造から整理して、それぞれのデメリットも隠さずに書き、最後に「求人票と面接でここを確かめれば失敗しにくい」という具体的なチェックまで持っていきます。

制作会社と事業会社(インハウス)は何が違うのか

見た目の違いより先に、根っこの違いを押さえるとラクになります。違いは「誰のためにデザインするか」です。

制作会社:お客さんのためにデザインする

Web制作会社・デザイン会社・広告制作会社などは、他社(クライアント)から依頼を受けてWebサイトやバナー、LP(ランディングページ)などを作ります。いわゆる受託です。

  • 案件には納期と予算が最初から決まっている
  • 決定権は最終的にクライアント側にある
  • 一つの案件が終われば、次は別の業種・別のテイストの案件になる

つまり、短い期間で数をこなす働き方になりやすい。1年で10案件、20案件と関わることも珍しくありません。

事業会社(インハウス):自社のサービスのためにデザインする

事業会社のインハウスデザイナーは、その会社が持っているサービス・商品・自社サイトのデザインを担当します。ECサイトを運営している会社の販促バナー、アプリを持っている会社の画面デザイン、といった形です。

  • 相手は社内(マーケティング担当、営業、開発)
  • 納品して終わりではなく、出したあとの数字を見て直し続ける
  • 扱う対象は基本的に同じサービスなので、1つを深く知ることになる

制作会社が「作って納める」なら、インハウスは「育て続ける」に近い。ここが最大の違いです。

「同じデザイナー」でも評価のされ方が違う

制作会社では、期日どおりに、クライアントの意図を汲んだ品質のものを出せたかで評価されやすい。インハウスでは、そのデザインで売上やクリック率などの数字が動いたかを問われる場面が増えます。

デザインの巧さだけでなく、「事業の数字を説明できるか」が求められる。これはやりがいでもあり、未経験には最初きつい部分でもあります。

ひと目で比較:未経験の1社目という視点で

未経験からの入り口としては、この2つに「派遣・アシスタント枠」を加えた3ルートで考えると整理しやすくなります。

未経験Webデザイナー | 1社目の選び方

制作会社・インハウス・派遣の違い

どれが正解かではなく、最初の3年で何を得たいかで選びます

未経験の入りやすさ3年でつく経験の幅教えてもらえる環境
制作会社(受託) クライアントの案件を作る 未経験可の求人が比較的見つかる 案件数が多く場数を踏みやすい 会社の規模と体制次第で差が大きい
事業会社(インハウス) 自社サービスを育てる 実務経験者を求める求人が多い 担当領域が絞られやすい デザイナーが1人だけの職場もある
派遣・アシスタント枠 まず現場に入る 入り口としては入りやすい 任される範囲が限られやすい 配属先によって差が大きい
  • ※求人の傾向は会社ごとに大きく異なります。最終的には個別の求人票と面接で確認してください
  • ※「未経験可」と書かれていても、実務レベルの制作物を求められる場合があります

IT転職ナビ

3行とも総合評価を「一長一短」にしているのは、ごまかしではありません。この3つは優劣ではなく、向き不向きだからです。○がついている項目も、会社を間違えれば簡単に×になります。

なぜ「未経験はまず制作会社」と言われるのか

よく言われる定番アドバイスですが、根拠はちゃんとあります。ただし例外もあります。

理由1:求人の入り口が広い

インハウスの求人は「自社サービスをすでに理解して動ける人」を想定していることが多く、実務経験者向けに書かれている割合が高くなります。一方で制作会社は、案件量に対して手が足りない構造があるため、アシスタントや第二新卒枠での採用が発生しやすい

未経験からWebデザイナーへの転職が簡単でないこと自体は、Webデザイナーの求人倍率はどれくらい?未経験転職が「厳しい」と言われる現実と突破口で数字を交えて書いています。門が狭いからこそ、入り口の広い側から入るという考え方です。

理由2:場数が短期間で貯まる

未経験にとって一番の資産は「作った数」です。制作会社なら、1年で複数業種のサイトやLPに関わることになりやすく、2社目に持っていける実績が早く貯まる

インハウスでも実績は貯まりますが、対象が自社サービスに限られるため、ポートフォリオにできる幅は狭くなりがちです(社外に出せない制作物が多いという事情もあります)。

理由3:見て学べる先輩が近くにいることが多い

制作会社にはデザイナーが複数在籍していることが多く、レビューを受けられる環境になりやすい。対してインハウスは、会社によってはデザイナーが自分1人ということがあります。1人目デザイナーは裁量が大きく面白い反面、未経験には教えてくれる人がいない環境になります。

例外:この場合はインハウスから入っていい

一方で、次に当てはまる人はインハウスを最初から狙う価値があります。

  • 前職の業界知識が活きる場合(例:アパレル販売経験者がアパレルECのインハウスへ)。未経験でも「その商材が分かる」は強い武器になります
  • デザインだけでなくマーケティングや数字にも興味がある場合。インハウスのほうが早く数字に触れられます
  • 腰を据えて長く働きたい、生活リズムを安定させたい場合。後述しますが、労働時間の傾向はインハウス寄りのほうが読みやすいことが多いです
  • すでにデザイナーが複数いるインハウスの求人が見つかった場合。教育体制の問題がクリアできます

どちらが自分に向いているか整理しきれない人は、IT/Web転職タイプ診断(無料)で希望条件を言語化してから求人を見ると、判断がぶれにくくなります。

正直に書く、それぞれのデメリット

良い面だけ書いても意味がないので、しんどい部分も並べます。

制作会社のデメリット

  • 納期に追われやすい。案件が重なる時期は残業が増えやすく、会社によっては慢性化しています
  • 給与水準が高いとは限らない。受託は単価が読める代わりに利益率が読めるため、未経験の初年度年収は抑えめのことがあります
  • 「デザイン以外」も回ってくる。写真の切り抜き、テキスト差し替え、更新作業など、いわゆる作業が一定量あります
  • クライアントの意向で作り直しになる。自分が良いと思ったものが通らない経験は日常的にあります
  • 教育体制は会社によって天と地。少人数の会社では「見て覚えて」になることも珍しくありません

事業会社(インハウス)のデメリット

  • 未経験求人が少ない。そもそも土俵に上がりにくいのが最大の壁です
  • 作るものが同じ系統に偏る。3年経っても「同じサービスのバナーとLP」しか作っていない、という状態になり得ます
  • 1人デザイナー職場のリスク。相談相手がおらず、独学の延長で数年過ごしてしまう可能性があります
  • デザイン以外の期待がのしかかる。「数字を上げるのがデザイナーの仕事」と言われ、企画やライティングまで求められる場合があります
  • 社内政治に巻き込まれやすい。決裁者の好みで決まる場面は、社内であっても普通に起きます

派遣・アシスタント枠のデメリット

未経験の入り口としては現実的な選択肢ですが、契約形態そのものの注意点があります。同じ論点はエンジニア職でも共通なので、未経験からIT業界、「派遣」で入るのはアリ?正社員・SESとの違いと3年ルールの注意点にまとめた内容が参考になります。

タイプ別:あなたはどちらから入るべきか

ここまでを踏まえて、判断の目安を書きます。当てはまる数が多いほうを優先候補にしてください。

制作会社を優先したほうがいい人

  • とにかく早く実務のポートフォリオを厚くしたい
  • いろいろな業種・テイストのデザインを試してみたい
  • 将来的にフリーランスや副業も視野に入れている
  • 分からないことを先輩に聞ける環境が欲しい
  • 多少忙しくても、最初の2〜3年は伸びを優先したい

事業会社(インハウス)を優先したほうがいい人

  • 前職の業界知識・商材知識が活かせる会社がある
  • 数字を見て改善していく仕事に興味がある
  • 生活リズムを安定させたい事情がある(家庭・持病・介護など)
  • 一つのサービスに愛着を持って長く関わりたい
  • すでにデザイナーが複数いる求人を見つけられている

どちらも決め手に欠ける人

その場合は「会社の種類」で選ぶのをいったんやめて、**個別の求人の中身で選んでください。**制作会社かインハウスかより、その会社に教えてくれる人がいるかどうかのほうが、1社目の伸びには効きます。

なお、求人票の書き方から労働環境を推し量る方法は、未経験IT転職で紹介された企業がブラックかどうかを見極める方法で職種を問わず使えるチェックを紹介しています。

入社前に確かめたい5つの質問

面接は選ばれる場であると同時に、こちらが確かめる場でもあります。次の5つは、制作会社・インハウスのどちらでも聞ける質問です。

  1. 「入社後の半年間、どんな業務から担当することが多いですか?」 → 未経験にどこまで任せる会社かが分かります
  2. 「デザイナーは何名いて、レビューはどなたがされていますか?」 → 教えてもらえる環境かどうかの核心です。人数を濁す会社は要注意
  3. 「直近で一番多い案件(もしくは施策)はどんなものですか?」 → 実際に作るものの中身が見えます。求人票の職種名より正確です
  4. 「繁忙期はいつで、その時期の残業はどのくらいですか?」 → 「人によります」しか返ってこない場合は、内定後の労働条件通知書で必ず数字を確認してください
  5. 「制作物をポートフォリオに掲載できますか?」 → これは意外と差が出ます。掲載不可の会社だと、次の転職で見せられる実績が作れません

5番目は特にインハウスで確認しておきたい項目です。自社サービスの制作物は社外に出せない契約になっていることがあり、3年働いても見せられる実績がゼロ、という事態が起こり得ます。

求人の実態を横並びで見るには

とはいえ、公開求人だけを見て「この会社はデザイナーが何人いるのか」「未経験をどこまで受け入れているのか」を判断するのは、正直かなり難しい部分があります。制作会社とインハウスの求人を横並びで見比べたうえで、ポートフォリオにも第三者の目を入れたい人には、クリエイティブ職に特化した転職エージェントという選択肢があります。

HIGH-FIVE(ハイファイブ)はWeb・エンタメ業界のクリエイティブ職に特化した転職エージェントで、求職者の利用は無料、ポートフォリオ添削や職務経歴書の作成支援などのサポートがあると公式サイトに記載されています(最終確認日:2026-08-27)。ただし、実務未経験からの応募で紹介できる求人がどれくらいあるかは、あなたの制作物の状況や希望エリアによって変わります。**登録前に公開求人を眺めて、自分の段階に合いそうかを確かめてから相談するのが安全です。**サービス内容や条件の最新情報は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q. 未経験なら、まず制作会社に入って2社目でインハウスに行くのが正解ですか?

よくあるルートではありますが、「正解」と言い切れるものではありません。前職の業界知識が活きるインハウス求人が目の前にあるなら、そちらを選ぶ合理性は十分あります。逆に、制作会社に入っても教育体制のない会社なら、期待した場数は貯まりません。会社の種類より、その1社の中身のほうが結果を左右します。

Q. コーディング(HTML/CSS)はどちらでも必要ですか?

求人によって大きく異なります。傾向としては、制作会社のほうが「デザインもコーディングも」と求められる割合が高く、インハウスは分業が進んでいる場合とデザイナーが全部やる場合の両極に分かれます。求人票の「必須スキル」「歓迎スキル」欄を1件ずつ読み分けてください。ここを読み飛ばすと、入社後のミスマッチにつながります。

Q. 年収はどちらが高いですか?

会社の規模・地域・担当領域によって幅が大きく、「制作会社だから低い」「インハウスだから高い」と一般化はできません。未経験入社の初年度は、どちらのタイプでも抑えめの提示になることが多いのが実情です。提示された条件は必ず労働条件通知書の数字で確認し、固定残業代が含まれていないかをチェックしてください。

Q. 生成AIが普及したら、Webデザイナーの1社目選びは変わりますか?

現時点では「どちらのタイプが安全」と言える段階ではないと考えています。ただ、作る作業そのものより、意図を説明できることや数字で判断できることの比重が上がっているという声はよく聞かれます。その意味では、どちらに入るにせよ「なぜこのデザインにしたのか」を言語化する習慣は、早いうちにつけておいて損はありません。

Q. 制作会社は残業が多いから避けたほうがいいですか?

案件が重なる時期に忙しくなりやすいのは事実ですが、会社差が非常に大きい領域です。「制作会社だから」で除外すると、未経験の選択肢を自分で狭めることになります。避けるべきは制作会社という業態ではなく、繁忙期の残業時間を聞いても具体的な数字が出てこない会社のほうです。

まとめ:種類で選ぶ前に、中身で選ぶ

  • 制作会社とインハウスの違いは「誰のためにデザインするか」。仕事の回り方も評価のされ方も変わる
  • 未経験の入り口としては制作会社のほうが広いが、前職の業界知識が活きるならインハウスも十分あり
  • 制作会社は納期と作業量、インハウスは求人の少なさと1人デザイナーのリスクが弱点
  • 会社の種類より、教えてくれる人がいるか・制作物を外に出せるかのほうが1社目の伸びを左右する
  • 面接では5つの質問で中身を確かめる。数字を濁す会社は保留にしていい

Webデザイナーの1社目は、キャリアのゴールではなく出発点です。完璧な1社を探すより、2社目に持っていける材料が貯まる1社を選ぶほうが、結果的に遠くまで行けます。

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参考情報

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、転職・収入を保証するものではありません。