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「内定です」と口頭で言われただけ…未経験のIT転職で内定通知書・労働条件通知書が来ないときの確認手順【2026年版】

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面接の最後に「内定ということで」と言われた。あるいは電話で「採用です、よろしくお願いします」と伝えられた。それから1週間たっても、メールも郵便も届かない。

未経験からのIT転職では、この状態で止まる人がいます。相手が小規模なIT企業やSES企業のとき、書面のやりとりが後回しになる会社が実際にあるためです。

この記事でわかることは3つです。

  • 口頭だけの内定が、法律上どう扱われるのか
  • 内定通知書と労働条件通知書のどちらを催促すべきか
  • 書面を出さない会社を、どこまで警戒すべきか

口頭だけの内定の法的な扱い

口頭でも労働契約は成立しえます。契約書がないから無効、ということにはなりません。

裁判例では、採用内定は「始期付解約権留保付労働契約」と整理されています。入社日という始期がつき、会社側に一定の解約権が残っている労働契約、という意味です。会社が内定を出し、応募者がそれを受け入れた時点で契約が動き出します。

厚生労働省の通達(平成29年12月20日)も、採用内定によって労働契約が成立したと認められる場合には、内定の段階で労働条件を明示する必要があるとしています。つまり「入社日に契約書を作るから、それまでは何も出さない」という運用は、本来のルールとはずれています。

ただし、口頭の弱点は証拠が残らないことです。あとで「そんな給与は言っていない」と食い違ったとき、記憶だけでは主張を支えられません。書面を求める理由は、法律を盾にするためではなく、条件のズレを入社前に潰すためです。

自分がどの職種に向くのか迷ったままなら、条件の交渉に入る前に整理しておくと判断が速くなります。IT/Web転職タイプ診断(無料)も使えます。

内定通知書と労働条件通知書の違い

催促すべきなのは、内定通知書ではなく労働条件通知書です。交付の義務が法律で決まっているのは後者だけだからです。

内定後の書類 | 未経験のIT転職

内定通知書・労働条件通知書・内定承諾書の違い

催促する価値が高いのは、法律で明示が義務づけられている書類です

交付の法的義務書かれる中身受け取る時期
内定通知書 会社から本人へ × 法律上の交付義務はない 採用の事実と入社日程が中心 会社の運用しだいで出ないこともある
労働条件通知書 会社から本人へ 労働基準法15条で明示が義務 賃金・労働時間・就業場所・退職など 労働契約の締結時(内定時を含む)
内定承諾書 本人から会社へ × 法律上の提出義務はない 入社の意思表示が中心 返送期限を切られることが多い
  • ※労働条件通知書は書面での交付が原則です。本人が希望した場合に限り、メールなど出力して書面にできる方法でも認められます
  • ※内定通知書が届かないこと自体は違法ではありません。届かないときは労働条件通知書を求めます

IT転職ナビ

労働基準法15条は、労働契約を結ぶときに労働条件を明示するよう会社に求めています。このうち書面で示す必要があるのは、次の内容です(最終確認日:2026-09-07)。

  • 労働契約の期間
  • 有期契約なら更新の基準と更新上限の有無
  • 就業場所と従事する業務、およびその変更の範囲
  • 始業と終業の時刻、所定時間外労働の有無、休憩・休日・休暇
  • 賃金の決定・計算・支払いの方法、締切日と支払日
  • 退職に関すること(解雇の事由を含む)

「就業場所・業務の変更の範囲」は2024年4月に追加された項目です。客先常駐が前提のSES企業では、ここに書かれる範囲が実態を示します。配属先が広く書かれていれば、入社後に想定外の現場へ行く可能性がそれだけ残ります。

明示を怠った場合、労働基準法120条1号により30万円以下の罰金が定められています。罰則がある義務なので、催促は正当な行動です。遠慮する場面ではありません。

書面が来ないときの催促の手順

順番は、記録を作る、文字で聞く、期限を決める、の3段階です。電話で聞くだけにすると、また証拠の残らないやりとりが増えます。

1. 言われた条件を自分でメモに残す

日付、相手の氏名、伝えられた条件を書き出します。給与額、月給か年俸か、固定残業代の有無、勤務地、入社日の5点は最低限そろえます。この時点では自分用の記録で十分です。

2. メールで書面の送付を依頼する

依頼の文面は短くて構いません。催促というより、入社準備の確認として書くほうが角が立ちません。

○○株式会社 採用ご担当 ○○様

先日は内定のご連絡をいただき、ありがとうございました。 入社にあたって家族にも説明したいと考えており、労働条件通知書をお送りいただけますでしょうか。 給与、就業場所と業務の変更の範囲、始業終業時刻、休日について確認したい点があります。 ○月○日ごろまでにいただけますと、承諾のお返事も準備しやすく助かります。

聞きたい項目を先に並べておくと、返信が「後日お渡しします」で終わりにくくなります。

3. 承諾の返事と書面の受け取りを結びつける

承諾書だけ先に返してしまうと、条件を確認する機会が消えます。会社側の書面を受け取ってから承諾する、という順番にすると自然に主導権が戻ります。

内定の返事を急かされているなら、回答期限そのものを延ばす交渉もできます。進め方は未経験のIT転職で内定を「少し待ってほしい」と言える?内定保留の伝え方と回答期限の延長交渉にまとめています。

4. それでも出ないときの相談先

依頼しても書面が出ないまま入社日が近づく場合、各都道府県の労働局や労働基準監督署に置かれている総合労働相談コーナーで相談できます。相談は無料で、匿名でも受け付けています。入社前でも利用できます。

承諾書にサインする前の確認4点

書面が届いたら、求人票と並べて読みます。見るのは次の4点です。

賃金の内訳 求人票の「月給25万円」に固定残業代が含まれているかを確認します。含まれる場合は、何時間分でいくらか、超えた分が別途支払われるかまで書かれているのが本来の形です。読み方は未経験のIT転職、内定後の「労働条件通知書」はどこを見る?で詳しく扱っています。

就業場所と業務の変更の範囲 自社勤務なのか、客先常駐があるのかがここに出ます。「会社が定める場所」とだけ書かれている場合は、想定される勤務地を口頭でなくメールで確認します。

試用期間の条件 期間の長さと、試用期間中の賃金が本採用後と違うかを見ます。違う場合、その額と期間が書かれているかを確かめます。

求人票との差 求人票のほうが良い条件だったなら、その差を採用担当に質問します。単純な記載ミスのこともあります。黙って入社すると、あとから主張しづらくなります。

条件が求人票とずれたまま入社した場合に何が起きるかは、未経験でIT転職したら「聞いていた仕事と違う」でも触れています。

書面を出さない会社の見極め方

書面が遅い会社を、すべて避けるべき会社とみなすのは行きすぎです。社員数十人規模で人事の専任者がいない会社では、入社日にまとめて書類を渡す運用が残っています。悪意ではなく手が回っていないケースがあります。

分けて考えるなら、次の3段階になります。

  • 様子を見てよい:依頼したら数日で届いた。内容が求人票と一致している
  • 確認を続ける:届くのが遅いが、質問には具体的に答える。書面の内容も口頭と一致している
  • 慎重に判断する:依頼しても出さない。理由を説明しない。書面の内容が口頭の説明と違う

三つめに当てはまるとき、問題は書面そのものではありません。入社後に条件の話をしても記録が残らない会社だ、という点が問題です。未経験での入社は、配属や研修について会社の裁量が大きく働きます。記録が残らない環境ほど、その裁量に振り回されやすくなります。

内定を辞退する判断をしたときの伝え方は未経験のIT転職、内定辞退のマナーは?角が立たない断り方にまとめました。

書面の確認を自分ひとりで進めるのが不安なら、転職エージェント経由に切り替える方法もあります。担当者が間に入ると、条件の確認や催促を代わりに進めてもらえる場合があります。ただし対応の範囲はエージェントや求人によって変わるため、依頼できる内容は事前に聞いておきます。

よくある質問

Q. 内定通知書が届かないのは違法ですか。

内定通知書そのものに交付義務はありません。違法とはいえません。一方で労働条件通知書は労働基準法15条で明示が義務づけられており、こちらが出ないまま入社日を迎えるのは本来の形ではありません。催促する対象は労働条件通知書です。

Q. 労働条件通知書をメールで受け取っても問題ありませんか。

本人が希望した場合に限り、メールなどの方法も認められています。ただし、印刷して書面にできる形式であることが条件です。本文に直接書かれた文章より、PDFの添付で受け取るほうが記録として扱いやすくなります。

Q. 口頭の内定を後から取り消されることはありますか。

あります。ただし内定の取り消しは解雇に近い扱いを受け、客観的に合理的で社会通念上相当と認められる理由が必要とされています。取り消しの連絡が来たら、その理由を文字で残すよう求めます。総合労働相談コーナーに相談する際も、記録があるほど話が進みます。

Q. 承諾書を先に出すよう求められたら断れますか。

労働条件を確認したいという理由を添えて、書面の受け取り後に返送したいと伝えられます。断るのではなく、順番を入れ替える依頼として伝えると受け入れられやすくなります。それを理由に内定が取り消されるような会社なら、入社後の条件交渉も同じ扱いになります。

Q. 入社日までに書面が間に合わないと言われました。

先に給与額、就業場所、始業終業時刻、休日の4点だけでもメールで送ってもらうよう依頼します。正式な書式が整わなくても、条件を文字にすること自体はその日のうちにできます。応じない場合は、慎重に判断する段階に当てはまります。

まとめ

口頭だけの内定でも労働契約は成立します。不安の正体は契約の有無ではなく、条件が記録に残っていないことです。

催促する相手は労働条件通知書です。労働基準法15条で明示が義務づけられ、違反には30万円以下の罰金が定められています。依頼はメールで行い、給与の内訳、就業場所と業務の変更の範囲、始業終業時刻、休日の4点を先に挙げます。承諾書の返送は、書面を受け取ってからにします。

書面が遅いこと自体は、会社の規模による事情もあります。分かれ目は、質問に具体的に答えるかどうかです。答えない会社は、入社後の条件の話も同じ扱いになります。

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参考情報

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、転職・収入を保証するものではありません。個別の契約内容についての法的な判断は、労働基準監督署の総合労働相談コーナーや弁護士など専門の窓口にご相談ください。