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退職代行を使った後、転職は不利になる?企業6,425社の回答と未経験IT転職での進め方【2026年版】

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退職代行を使って会社を辞めた後、次の転職活動を前に手が止まる人がいます。「あのやり方は、面接で不利になるのではないか」という不安です。

検索すると「退職代行を使っても転職に不利にはなりません」と書いたページが並びます。その多くは退職代行サービス自身が運営するページです。立場のある発信だけを読んで判断すると、後で足をすくわれます。

この記事でわかること。

  • 退職代行の利用が転職先に伝わるのか、伝わらないのか
  • 「伝わった場合」に企業がどう判断するかの実数値
  • 未経験からIT転職を目指すとき、何を先に片づけておくべきか

先に結論を書きます。退職代行の利用は、通常のルートでは転職先に伝わりません。ただし伝わった場合の企業の反応は、退職代行サービスが言うほど好意的ではありません。この2つを分けて考えるのが出発点です。

書類に残らない退職代行の利用歴

退職代行を使ったかどうかを記録する書類は存在しません。転職先に提出する書類を順に見ると分かります。

  • 履歴書・職務経歴書:自分で書くもの。退職手段を書く欄はありません
  • 離職票:離職理由は「自己都合」などの区分で記載されます。退職の伝え方は載りません
  • 源泉徴収票:支払金額と控除額の書類です。退職の経緯は無関係です
  • 雇用保険被保険者証:加入記録の書類で、退職理由すら載りません

前の会社が転職先に自発的に連絡することも、通常はありません。企業が他社の採用に口を出す義理はなく、個人情報を勝手に伝えれば自社が問題を抱えます。

つまり、何もしなければ伝わらない。ここまでは退職代行サービスの説明と同じです。問題はこの先にあります。

態度を変える企業75.3%の内訳

東京商工リサーチが2026年3月31日から4月7日に企業向けアンケートを実施しました。有効回答は6,425社です。採用選考中に前職での退職代行の利用が分かった場合、企業の対応は次のように分かれました。

  • 採用しない:26.0%
  • 採用に慎重になる:49.3%
  • 採用に影響しない:23.7%
  • 採用に積極的になる:0.8%

「採用しない」と「慎重になる」を合わせると75.3%です。「影響しない」と答えた企業は4社に1社を切ります。

この数字は読み違えやすい数字です。あくまで分かった場合の回答にすぎません。6,425社の75.3%が退職代行の利用者を落としている、という意味ではありません。前の章のとおり、分かる機会そのものが少ないからです。

それでも、退職代行サービスの「不利になりません」という説明が正確でないことは、この数字が示しています。正しくは「伝わらないことが多い。伝わると4社に3社は評価を下げる」です。不安をゼロと言い換えるのではなく、伝わるルートを潰す方向で手を打つほうが現実的です。

なお同じ調査では、退職代行から連絡を受けた企業の30.4%が「非弁行為が含まれる可能性があるため取り合わない」と回答しています。会社側が業者を相手にしないケースは実際に起きています。

利用者の年齢層も出ています。東京商工リサーチの2025年6月調査(有効回答6,653社)では、退職代行の利用者は20代が60.8%、30代が26.9%でした。合わせて9割近くが20代と30代です。未経験からIT転職を目指す層と重なります。

利用が伝わる3つのルート

伝わるとすれば、経路はほぼ次の3つに限られます。

リファレンスチェックでの前職照会

リファレンスチェックは、応募者の前職の上司や同僚に働きぶりを確認する手続きです。エンワールド・ジャパンが2021年に発表した調査では、実施率は外資系企業58%・日系企業23%と報告されています。日系企業では少数派ですが、外資系やIT業界の一部では珍しくありません。

照会先として前職の上司を挙げれば、退職時のやり取りが話題に出る可能性があります。これが最も現実的な経路です。

業界や地域の狭いつながり

同じ業界の狭い領域や、求人数の限られた地方では、採用担当者と前職の関係者が知り合いというケースが起きます。SIerや受託開発の会社同士は取引関係でつながっていることもあります。

制度としての照会ではなく、人づての情報です。防ぎようは多くありませんが、頻度としては高くありません。

面接での自分の説明

見落とされがちですが、いちばん多いのはここです。面接で退職理由を聞かれ、正直に話そうとして「退職代行を使いました」と自分から言ってしまうパターンです。

嘘をつく必要はありません。ただし聞かれていないことまで説明する義務もありません。面接官が知りたいのは退職の手段ではなく、同じ理由でまた辞めないかどうかです。

業者タイプ別に残るリスクの差

すでに退職を終えた人にとっても、これから使う人にとっても、退職代行の運営主体の違いは結果に影響します。会社との交渉ができる範囲が法律で分かれているためです。

退職代行 | 運営主体の違い

民間業者・労働組合・弁護士でできることの差

交渉できる範囲が違うため、退職後に残る未処理の差にもつながります

退職の意思を伝える有給や退職日の交渉会社が取り合わない懸念
民間業者 一般企業が運営 伝達は可能 × 非弁行為にあたるおそれ 交渉を断られる例あり
労働組合 団体交渉権あり 伝達は可能 団体交渉として可能 会社に応諾義務
弁護士 法律事務所 伝達は可能 代理人として可能 法的手続きまで対応
  • ※東京商工リサーチの2026年3月31日〜4月7日調査では、退職代行から連絡を受けた企業の30.4%が「非弁行為が含まれる可能性があるため取り合わない」と回答しています
  • ※料金や対応範囲はサービスごとに異なります。最新情報は各公式サイトでご確認ください(最終確認日:2026-09-15)

IT転職ナビ

民間業者を使うと、有給の消化や退職日の調整で会社と折り合えないことがあります。未処理の項目が残ったまま退職日を迎えると、書類の受け取りが滞る原因になります。

退職代行サービスそのものの比較は、姉妹サイトの退職代行くらべにまとめています。本記事は、使った後の転職活動に絞ります。

退職代行を使った後に片づける3つのこと

転職活動を始める前に、手元を整えます。順番に効きます。

退職関連書類の回収

転職活動と入社手続きで必要になるのは次の書類です。

  • 離職票(失業給付を受ける場合。転職先が決まっていれば不要)
  • 源泉徴収票(年内に転職するなら年末調整で必要)
  • 雇用保険被保険者証
  • 年金手帳または基礎年金番号通知書

退職代行を使った場合、会社とのやり取りが途切れて発送が止まることがあります。届いていないものがあれば、会社の総務に自分で連絡して請求します。感情的なやり取りを避けたいなら、書面やメールで事務的に頼むと進みます。

会社が離職票を出さない場合は、ハローワークに相談すると会社へ交付を促してもらえます。

離職理由の区分の確認

離職票には離職理由の区分が書かれています。退職代行を使ったこと自体は載りませんが、区分が実態と違うことはあります。

失業給付を受ける予定なら、給付開始までの期間や給付日数が区分で変わります。内容に納得できなければ、ハローワークで異議を申し立てられます。

1分で話せる退職理由の形

退職理由は必ず聞かれます。ここで用意が足りないと、話しながら退職代行の話に踏み込んでしまいます。

作るのは次の3点です。

  1. 辞めた理由:会社批判ではなく、自分が何を求めたかで話す
  2. 在職中にやったこと:改善を試みた事実があれば短く添える
  3. 次に求めること:IT職種でそれが満たせる理由につなげる

退職代行を使った事実は、聞かれなければ触れません。「円満とは言えない辞め方でした」まで認めて、理由の説明に戻すだけで足ります。聞かれたら認めます。嘘をつくと、リファレンスチェックで矛盾したときに一気に不利になります。

退職理由の言い換え方は未経験のIT転職、面接で退職理由をどう伝える?「本音」を不利にしない言い換えの手順【2026年版】で手順を追って説明しています。

未経験IT転職で最初に決めること

退職代行の利用歴よりも、選考で重く効くのは別の要素です。短期離職の回数、空白期間の長さ、そして応募先の選び方です。ここを整理しないまま応募を始めると、落ち続けた末に「退職代行のせいだ」と誤った結論に着地します。

自分がどの職種に近いのか曖昧なままなら、IT/Web転職タイプ診断(無料)で当たりをつけてください。応募先のばらつきが減ります。

そのうえで、経緯の説明に不安が残るなら、第三者に一度話してみる方法があります。短期離職や離職期間のある20代を対象にした就職・転職エージェントなら、同じ状況の相談を扱い慣れています。自分の話し方が選考でどう受け取られるかを、応募前に確かめられます。

エージェントに登録しても、紹介された求人に応募する義務はありません。合わないと感じたら、そこで止めて構いません。

よくある質問

Q. 退職代行を使ったことは、面接で自分から言うべきですか。

A. 聞かれなければ言う必要はありません。履歴書に書く欄もありません。ただし聞かれた場合は認めてください。否定した後にリファレンスチェックなどで判明すると、経歴詐称として扱われる余地が生まれます。

Q. 前の会社が転職先に連絡することはありますか。

A. 通常はありません。他社の採用に介入する理由がなく、個人情報を無断で伝えれば前の会社側が責任を問われます。伝わるとすれば、リファレンスチェックで自分が照会先を指定した場合か、業界内の人づてです。

Q. 退職代行を使って辞めた会社には、在籍確認をされても問題ないですか。

A. 在籍していた事実そのものは記録に残るため、在籍期間の確認は問題になりません。懸念があるのは、期間ではなく働きぶりや退職時の評価を尋ねるリファレンスチェックのほうです。照会先を自分で選べる場合は、当時の同僚や別部署の上司を検討してください。

Q. 退職代行を使った後、すぐ転職活動を始めても大丈夫ですか。

A. 書類が手元にそろっているかを先に確認してください。源泉徴収票や雇用保険被保険者証は入社手続きで求められます。内定後に「前職から届いていない」と気づくと、入社日の調整に響きます。

Q. 民間業者を使ったのですが、有給が消化できないまま辞めました。今から請求できますか。

A. 退職後の有給買い取りや未払い分の請求は、内容によって扱いが変わります。金銭の請求が絡むため、労働基準監督署か弁護士への相談が確実です。民間の退職代行業者は、退職後の金銭交渉を代理できません。

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参考情報

数値の最終確認日:2026-09-15

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、転職・収入を保証するものではありません。個別の労働トラブルや金銭請求については、労働基準監督署または弁護士にご相談ください。