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ITエンジニアの退職理由で多いのは?調査データで見る本音と、未経験が同じ理由で辞めないための入社前チェック【2026年版】

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「ITエンジニアは辞める人が多い」と聞いて、未経験からの転職をためらう人がいます。すでにIT企業で働いていて、辞めたい気持ちの理由を整理できずにいる人もいます。

どちらの場合も、先に見るべきは実際の数字です。辞める人がどれくらいいて、何を理由に辞めているのか。理由が分かれば、入社前に避けられるものと、入社後にしか分からないものを分けられます。

この記事でわかること。

  • IT業界の離職率は、ほかの業界と比べて高いのか
  • ITエンジニアの退職理由の上位と、未経験の人がつまずきやすい点
  • 入社前に確かめる質問と、いま辞めたい人が整理する順番

平均を下回るIT業界の離職率

厚生労働省の統計では、IT企業を含む情報通信業の離職率は全産業の平均を下回っています。

「令和7年雇用動向調査」によると、2025年1年間の離職率は次のとおりです。

  • 産業計:13.7%(一般労働者に限ると11.4%)
  • 情報通信業:10.4%(一般労働者に限ると10.0%)

同じ年の情報通信業の入職率は13.6%でした。辞めた人より入った人のほうが多く、働く人の数は増えています。

注意点が2つあります。情報通信業には放送業や出版などの映像・文字情報制作業も含まれます。ITエンジニアだけの数字ではありません。もう1つは、会社ごとの差が業界平均では見えないことです。離職率の低い業界でも、人が定着しない会社はあります。

「IT業界だから辞めやすい」とは言えません。辞めるかどうかを分けるのは、業界よりも会社と職場の条件です。

ITエンジニアの退職理由の上位4つ

民間の調査では、給与・残業・人間関係・評価の4つが上位に並びます。

株式会社ベイジが2024年12月から2025年1月に実施した調査があります。対象は過去5年以内に転職活動をしたITエンジニア1,154名です。転職に至った背景の上位は次のとおりでした。

  • 給与が低い:41.68%
  • 仕事量や残業が多い:35.01%
  • 人間関係の悪化:26.34%
  • 評価制度への不満:23.31%

割合の合計は100%を超えています。1人が複数の理由を挙げた集計です。「給与だけ」「残業だけ」で辞める人より、不満が重なって辞める人が多いと読めます。

マンパワーグループが2024年9月に実施した調査も、傾向は同じです。対象は転職経験のある20〜40代のITエンジニア職の正社員390名でした。退職理由の1位は「給与や待遇が不満だった」41.3%です。2位は「適正に評価されていないと感じた」と「労働条件が悪かった」が22.8%で並びました。

年代で変わる退職理由

マンパワーグループの調査では、年代ごとに上位の顔ぶれが変わります。

  • 20代:給与や待遇34.6%、人間関係26.2%、「未経験だったがITエンジニアになりたかった」24.6%
  • 30代:給与や待遇49.2%、残業の多さ24.6%
  • 40代:給与や待遇33.8%、業績の先行きへの不安23.8%、キャリアアップの限界19.2%

20代の3位は、IT以外の仕事を辞めてエンジニアになった人の回答です。未経験からの転職は、珍しい動きではありません。

ほかの職業と比べて特徴的な理由

厚生労働省の同じ調査には、全産業の転職者が前職を辞めた理由も載っています。2025年の結果では、男性は「給料等収入が少なかった」9.9%が上位でした。女性は「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」12.9%、「職場の人間関係が好ましくなかった」11.5%が上位です。

調査の方法が違うため、割合を直接比べることはできません。ただ、給与・労働時間・人間関係はどの職業でも上位に来る理由です。ITエンジニアの調査で目立つのは「評価」です。次の章で、未経験の人が評価で悩みやすい理由を扱います。

未経験で入った人がつまずく4つの場面

未経験で入社した人は、調査の上位4つとは少し違う形で壁に当たります。入社前の想像と実際の差が、辞めたい気持ちの出発点になりやすいためです。

想像より低い1年目の年収

未経験で採用される場合、給与は実務経験のある人より低く設定されます。前職で経験を積んでいた人ほど、転職で年収が下がる例は珍しくありません。

問題は下がること自体より、上がる道筋を知らずに入社することです。昇給の仕組みを聞かないまま入ると、1年後に「給与が低い」という上位の退職理由にそのまま当てはまります。1年目の年収の目安は未経験からのIT転職、年収はどう変わる?1年目の現実と3年で上げる方法を正直解説【2026年版】で整理しています。

聞いていた話と違う仕事内容

「開発に携われる」と聞いて入社し、実際はテストや監視、ヘルプデスクから始まる例があります。未経験者の入口として一般的な配置ですが、事前の説明と食い違えば不満になります。

SES(客先常駐)の会社では、配属先が決まらない待機期間が発生することもあります。仕事内容のずれを入社後に確認する手順は未経験でIT転職したら「聞いていた仕事と違う」…求人票と実態がズレたときの確認手順と辞める前の判断【2026年版】にまとめました。

働きぶりを見る人が社内にいない問題

客先常駐で働く場合、日々の仕事を見ているのは常駐先の担当者です。評価を決めるのは自社の上司です。自社の上司と月に数回しか話さない働き方だと、成果が評価に反映されにくくなります。

客先常駐の評価の仕組みは、調査で「評価制度への不満」が上位に来る背景の1つです。入社前に「客先で働く期間は誰がどう評価するのか」を聞けば、ある程度見通せます。

入社後の学習量の負担

入社後の研修が短く、現場で自分で調べながら覚える職場もあります。業務後の学習時間が長くなると、残業の多さと同じ負担になります。

最初の3か月の乗り越え方は未経験でIT転職して入社後についていけないと感じたら|最初の3ヶ月の乗り越え方【2026年版】で扱っています。

入社前に確かめる5つの質問

退職理由の上位4つのうち、給与・残業・評価の3つは面接や内定後の面談で事前に確かめられます。聞きにくい内容は、内定後の条件確認の場で聞くと角が立ちません。

  1. 昇給の仕組み:「評価面談は年に何回ですか。1年目の人はどう昇給していますか」
  2. 残業の実態:「配属予定の部署の月平均残業時間はどのくらいですか」
  3. 配属の決まり方:「1年目の担当業務の例を教えてください。配属先はいつ、どう決まりますか」
  4. 評価する人:「客先で働く場合、評価は誰がどの情報をもとに決めますか」
  5. 待機時の扱い:「案件が決まらない期間の仕事内容と給与はどうなりますか」

固定残業代が含まれている場合は、何時間分かを労働条件通知書で確認してください。書面の読み方は未経験のIT転職、内定後の「労働条件通知書」はどこを見る?固定残業代・就業場所の変更の範囲・研修費返還の3点【2026年版】で説明しています。

人間関係だけは、入社前に確かめる方法が限られます。面接官に「配属予定のチームの人数と、未経験で入った先輩がいるか」を聞くと、受け入れの慣れ具合は分かります。自分に合うかどうかの判断材料は、ほかの4つより少なくなります。

自分にどの職種が近いのか決まっていない人は、先にIT/Web転職タイプ診断(無料)で方向を絞ってください。職種によって、上の5つのうち重く見るべき項目が変わります。

いま辞めたい人が先に整理する順番

すでにITエンジニアとして働いていて辞めたい人は、会社を変えれば解決する理由かどうかを先に分けます。転職しても同じ理由で辞めることになれば、短期離職の回数だけが増えるからです。

辞めたい理由の書き出しと分類

紙かメモアプリに、辞めたい理由を全部書き出します。次に、調査の上位4つ(給与・残業・人間関係・評価)と「仕事内容」「学習負荷」のどれに当たるかを振り分けます。

複数に当てはまるのが普通です。いちばん重い理由を1つ選び、それが解消されれば残りは我慢できるかを考えます。

社内で解決できるかの確認

理由によっては、転職より社内での相談や異動のほうが早く解決します。

ITエンジニアの退職理由 | 解決手段の違い

社内で相談・異動と転職、どの不満に効きやすいか

会社の制度や規模で変わります。本文の目安として見てください

給与・評価残業の多さ人間関係
上司に相談する 評価面談などの場で 評価基準の確認はできる 業務量の調整を頼める × 相手が原因だと難しい
異動・案件変更を申し出る 社内で環境を変える 給与体系は同じまま 配属先で変わりうる 関わる人が変わる
転職する 会社を変える 条件の事前確認が前提 入社先の実態しだい 入社前に分かりにくい
  • ※異動制度の有無や給与体系は会社ごとに異なります
  • ※転職で条件がよくなるかは、応募先の確認の深さで変わります。どの手段にも確実に解決するものはありません

IT転職ナビ

給与体系や評価制度そのものへの不満は、会社を変えないと解決しにくい理由です。残業や人間関係は、配属先を変えるだけで解消することがあります。客先常駐の人なら、案件の変更を自社の営業担当に相談する手があります。

SESで働く人が案件の途中で辞める場合の注意点はSESを辞めたい…案件の途中でも辞められる?未経験1年目が辞める前に確認する5つのこと【2026年版】にまとめています。

次の会社で確かめる条件の決定

転職すると決めたら、応募を始める前に「次の会社で必ず確かめる条件」を1つか2つ決めます。いちばん重い退職理由の裏返しが、その条件です。

  • 給与が理由なら:昇給の仕組みと評価面談の回数
  • 残業が理由なら:配属部署の月平均残業時間と固定残業代の時間数
  • 評価が理由なら:誰がどの情報で評価するか
  • 仕事内容が理由なら:1年目の担当業務の具体例

条件を決めずに応募すると、内定が出た会社に流されて決めがちです。

面接で聞かれる退職理由の準備

面接では、ほぼ確実に退職理由を聞かれます。本音の「給与が低い」「残業が多い」をそのまま言う必要はありません。事実は変えずに「次の会社で何をしたいか」につなげます。言い換えの手順は未経験のIT転職、面接で退職理由をどう伝える?「本音」を不利にしない言い換えの手順【2026年版】で理由別に説明しています。

会社選びの段階から第三者と一緒に条件を整理したい20代なら、未経験からのIT就職を扱う就職サポートを使う方法があります。求人の中身を1社ずつ自分で調べる手間を、相談しながら減らせます。

公式サイトでは主に20代を対象として案内されています。30代以降の人は、対象になるかを公式サイトで確認してから申し込んでください。

よくある質問

Q. ITエンジニアは辞める人が多い仕事ですか。

A. 業界全体では多くありません。厚生労働省の令和7年雇用動向調査では、情報通信業の離職率は10.4%でした。産業計の13.7%より低い数字です。ただし会社ごとの差は大きく、業界平均だけで職場を判断することはできません。

Q. 入社1年未満で辞めたら、次の転職は難しくなりますか。

A. 短期離職は選考で理由を聞かれます。ただ、それだけで不採用が決まるわけではありません。辞めた理由と、次の会社で同じことを繰り返さない根拠を説明できれば、選考は進みます。伝え方は転職回数が多い・短期離職があると未経験のIT転職は無理?書類と面接での伝え方【2026年版】で扱っています。

Q. 会社に退職を伝えるとき、本当の理由を言う必要はありますか。

A. 詳しい理由を話す義務はありません。退職届は「一身上の都合」で足ります。引き止めを避けたい場合は、会社の対応では解決できない理由を短く伝えます。「キャリアの方向を変えたい」などの理由なら、話が長引きにくくなります。

Q. 給与への不満で辞めるのは甘えですか。

A. 甘えではありません。紹介した2つの調査で、給与はどちらも退職理由の1位でした。ただし未経験の1年目は給与が低めに設定されやすいため、昇給の仕組みを確かめてから判断してください。1年後の見込みが分かれば、辞めるか残るかを比べられます。

Q. 「IT業界はきつい」と聞きますが、未経験から目指すのはやめたほうがいいですか。

A. 業界で一律には決まりません。離職率は平均より低く、きつさは会社と配属先で変わります。入社前の5つの質問で、退職理由の上位に当たる条件を確かめてから応募先を選ぶ方法をすすめます。

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参考情報

数値の最終確認日:2026-09-17

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、転職・収入を保証するものではありません。