動画編集の副業で報酬が払われない…未払いの催促と相談先
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動画編集の副業で納品まで終えたのに、約束の日を過ぎても報酬が振り込まれない。チャットで聞いても既読のまま返事がない。報酬は数千円から数万円でも、作業にかけた時間を考えると泣き寝入りはしたくない。そんな状況の人に向けた記事です。
先に結論を書きます。未払いは「記録を集める→文章で催促する→第三者の窓口に相談する」の順で動くと、回収の見込みが上がります。 個人で受けた副業でも、2024年11月に施行されたフリーランス法の対象になる場合があり、弁護士に無料で相談できる窓口もあります。
催促の前に確かめる3つのこと
最初にするのは、怒りのメッセージを送ることではなく、手元の記録の確認です。相手がわざと払わないのか、単に処理が遅れているだけなのかで、取るべき手が変わります。
確かめるのは次の3点です。
- 支払期日の約束:「納品月の月末締め・翌月末払い」など、期日がチャットや発注書に残っているか
- 納品の記録:データを渡した日時と、相手が受け取った事実(「確認しました」の返信、ダウンロード通知など)
- 請求の有無:請求書が必要な取引なのに、まだ出していないことはないか
3つ目は見落としやすい点です。法人や事業者の発注者は、請求書を受け取ってから支払いの手続きに回すことがよくあります。請求書を出していなければ、未払いではなく「請求待ち」の状態かもしれません。
記録はスクリーンショットで残す
相手がアカウントを消したり、チャットを削除したりすると、やり取りが見られなくなります。依頼内容・金額・期日・納品の連絡が写った画面は、日時が分かる形で保存しておきます。
契約書がなくても、チャットのやり取りは取引条件の証拠になります。口約束だけで進めた案件ほど、残っているメッセージが唯一の材料です。
角を立てない催促の文面
最初の催促は、相手を責めずに「確認のお願い」の形で送ります。振込の手続き漏れや、担当者の入れ替わりで止まっているだけのことも多いためです。
いつもお世話になっております。○月○日に納品した動画編集の報酬(○円)について、お約束の○月○日時点で入金を確認できておりません。お手数ですが、お支払いの状況をご確認いただけますでしょうか。行き違いでしたら失礼いたしました。
返事がないときの2回目
1回目から1週間ほど返事がなければ、期限を区切った文面を送ります。期日・金額・振込期限を書き、記録が残るチャットかメールで送ります。
先日ご連絡した○月○日納品分の報酬(○円)について、まだ入金とご返信を確認できておりません。恐れ入りますが、○月○日までにお支払いいただくか、お支払い予定日をお知らせください。期日までにご連絡がない場合は、相談窓口に相談のうえ対応を検討いたします。
2回目でも「相談窓口に相談する」と書くだけにとどめます。「訴える」「晒す」といった言葉は、相手の態度を硬くさせるだけです。SNSで相手の名前を出すと、こちらが名誉毀損を問われるおそれもあります。
フリーランス法で確認できること
副業でも、個人として従業員を雇わずに仕事を受けていれば、フリーランス法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)の保護対象になり得ます。未払いに関係するのは次の2点です。
- 取引条件の明示:仕事を頼む事業者は、報酬の額や支払期日などを、書面やメール、チャットなどで示す義務があります。従業員のいない個人の発注者もこの義務の対象です
- 60日以内の支払い:従業員を使っている発注者は、納品物を受け取った日から60日以内で支払期日を決め、その期日までに払う必要があります
期日を決めていなかった場合は、受け取った日が支払期日とみなされます。60日を超える期日を決めていた場合も、受け取った日から60日後が期日として扱われます。「いつ払うか決めていないから遅れても問題ない」という理屈は、従業員のいる発注者には通りません。
法律が当てはまらない場面
一方で、従業員のいない個人の発注者には、60日ルールはかかりません。趣味で動画を投稿している人のように、事業として頼んでいない相手は法律の対象外になる場合もあります。相手が会社か個人か、従業員がいるかどうかで当てはまる義務が変わるため、迷ったら次の窓口に相談します。
未払いの相談先と使い分け
相談先は、目的によって使い分けます。お金を取り戻したいのか、発注者の違反を行政に知らせたいのかで、窓口が違います。
- フリーランス・トラブル110番:厚生労働省の委託で、弁護士に無料で相談できる窓口です。公式サイトによると、電話は0120-532-110(平日9:30〜16:30)で、メールの相談フォームもあります。相手との話し合いを仲立ちする「和解あっせん」も無料で使えます
- 公正取引委員会などへの申出:発注者がフリーランス法に違反している疑いがあるとき、行政機関に申し出られます。調査や指導のきっかけになるもので、未払い金を代わりに取り立ててくれる制度ではありません
- 少額訴訟:60万円以下のお金の支払いを求める、簡易裁判所の手続きです。裁判所の案内では、原則1回の審理で終わるとされています
動画編集の副業 | 報酬の未払い
未払いのときの相談先の違い
お金を取り戻したいのか、違反を知らせたいのかで選びます
| 費用 | 回収につながるか | 手間 | |
|---|---|---|---|
| フリーランス・トラブル110番 弁護士に無料相談・和解あっせん | ○ 相談もあっせんも無料 | △ 相手が話し合いに応じれば | ○ 電話かフォームで始められる |
| 公正取引委員会などへの申出 フリーランス法違反の疑いを知らせる | ○ 申出は無料 | △ 取り立ての制度ではない | △ 違反の内容を整理して伝える |
| 少額訴訟 60万円以下の支払いを求める裁判 | △ 手数料などがかかる | ○ 判決で支払いを求められる | × 書類の準備と出廷が必要 |
- ※どの窓口でも、相手の連絡先が分からない場合や相手が応じない場合は、回収できないことがあります。
- ※受付時間や手続きの内容は変わることがあるため、最新の情報は各窓口の公式サイトでご確認ください。
IT転職ナビ
数千円から数万円の未払いなら、まずはフリーランス・トラブル110番に電話するのが現実的です。弁護士が状況を聞いたうえで、催促の続け方や和解あっせんを使うかどうかを一緒に考えてくれます。
クラウドソーシング経由の案件の場合
クラウドソーシングを通して受けた案件なら、先にそのサービスの運営に問い合わせます。サービスによっては、発注者が報酬を先に預ける「仮払い」の仕組みや、トラブル時の対応窓口を持っています。使っているサービスのヘルプや利用規約で、未払い時の扱いを確認しておきます。
次の案件で未払いを防ぐ取り決め
未払いは、受ける前の取り決めで多くを防げます。次の案件からは、作業に入る前に次の4点を文章で残しておきます。
- 報酬の額と支払期日:「納品月末締め・翌月末払い」のように、日付が特定できる形で決める
- 請求書の要否:請求書がいるのか、送り先とあて名はどうするか
- キャンセル時の扱い:途中で依頼が取り消されたとき、作業済みの分をどう払うか
- 相手の情報:会社名・担当者名・連絡先(チャットのアカウントだけにしない)
初めての相手や、個人のSNS経由で来た依頼は、とくに慎重に進めます。直接取引で不安がある相手なら、仮払いの仕組みがあるクラウドソーシング上で契約してもらう方法もあります。案件の取り方そのものはクラウドソーシングで提案が通らないときの直し方で整理しています。
長い案件は分けて請求する
10本まとめての依頼のように納品が長期にわたる案件は、1本ごと、または月ごとに区切って請求します。全部を納めてから一括で請求すると、未払いになったときの損失が大きくなります。最初の1〜2本で入金を確かめてから続ける形なら、相手の支払い態度も早めに分かります。
修正の取り決めも同時に決めておくと、「修正が終わっていないから払わない」という言い分を防げます。修正回数の決め方は動画編集の副業で修正が多すぎるときの止め方にまとめています。
副業の経験を本業の転職に活かしたい人は、IT/Web転職タイプ診断(無料)で、動画編集のスキルが合う職種を確かめておく方法もあります。
よくある質問
数千円の未払いでも相談していいのですか
相談できます。フリーランス・トラブル110番は相談料がかからず、報酬の未払いは相談の対象に含まれます。少額だから我慢するより、同じ相手との取引を続けるべきかを判断する材料として相談しておく価値があります。
相手と連絡がつかなくなった場合はどうすればいいですか
相手の会社名や住所が分かっていれば、メールや郵便で催促を続けられます。チャットのアカウントしか分からない場合は、回収が難しくなります。クラウドソーシング経由なら運営に、直接取引ならフリーランス・トラブル110番に、手元の記録を持って相談します。
副業が会社にばれないか心配で相談しにくいです
フリーランス・トラブル110番は秘密を守ったうえで相談を受け付けています。窓口への相談そのものが勤務先に伝わる仕組みはありません。ただし、少額訴訟まで進むと手続きの中で住所や氏名を出す必要があります。
契約書を交わしていなくても請求できますか
請求できます。契約は口頭やチャットのやり取りでも成り立ちます。依頼内容と金額が分かるメッセージが残っていれば、催促や相談の根拠として使えます。
まとめ
- 未払いに気づいたら、まず支払期日・納品の記録・請求書の有無を確かめる
- 1回目の催促は確認のお願い、2回目は期限を区切って記録が残る形で送る
- フリーランス法では、発注者に報酬や期日を示す義務があり、従業員のいる発注者には60日以内の支払いも求められる
- 相談はフリーランス・トラブル110番から始め、違反の申出や少額訴訟は目的に応じて選ぶ
- 次の案件からは、支払期日・請求書・キャンセル時の扱い・相手の情報を受ける前に文章で残す
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参考情報
- 公正取引委員会 フリーランス法特設サイト(最終確認日:2026-10-16)
- フリーランス・トラブル110番(厚生労働省委託事業)(最終確認日:2026-10-16)
- 公正取引委員会 フリーランス法違反の申出窓口(最終確認日:2026-10-16)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、転職・収入を保証するものではありません。法律の当てはめは個別の事情で変わるため、具体的な判断は専門の窓口にご相談ください。