転職エージェントでSESばかり紹介される…未経験の断り方と見分け方
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転職エージェントに登録したのに、届く求人がSES(客先常駐)の会社ばかりで戸惑っていませんか。断ったら紹介が止まりそうで、言い出せない人も多いはずです。
結論から書くと、紹介された求人に応募するかどうかは自分で決めてよく、SESを断っても問題はありません。ただ、未経験向けの求人はSESに偏りやすいのが実情です。断るだけでは状況は変わりません。求人票でSESかを見分ける方法と担当者への伝え方を持っておくと、次の紹介が変わります。
この記事は、エージェント経由の紹介に絞って書いています。スクールの紹介先がSESに偏る話は就職支援型スクールの紹介先はSESばかりって本当?で扱っています。
SESばかり紹介されるのは珍しくない
未経験者にSESの求人が多く届くのは、担当者の手抜きではなく求人の母数の問題です。SES企業は案件ごとに技術者を客先へ送る事業のため、未経験者を採用して育てる求人を多く出しています。
転職エージェントは、紹介した人の採用が決まると企業から報酬を受け取る仕組みが一般的です。担当者から見ると、未経験でも採用されやすい求人を優先して出すほうが、決まる見込みが高くなります。結果として、希望を伝えていない人ほどSESの求人ばかりが並びます。
SES自体が一律に悪いわけではありません。研修や案件の選び方が明確な会社なら、実務経験を積む入口になります。SESの仕組みと会社ごとの差はSES・客先常駐は未経験転職の「アリ」な選択肢?にまとめています。問題になるのは、自分が望んでいないのにSESしか選べない状態です。
紹介を断っても法律上の問題はない
紹介された求人は、理由を説明しなくても断れます。職業安定法の第2条には「何人も、公共の福祉に反しない限り、職業を自由に選択することができる」とあります。エージェントとの契約で、紹介された求人への応募が義務になることは通常ありません。
断ると担当者の印象が悪くなるのでは、と心配する人もいます。実際には、断る理由を具体的に返すほど、担当者は次に出す求人を絞り込めます。黙って放置するよりも、短くても理由を返すほうが紹介の精度は上がります。
返信が冷たくなったと感じたら、転職エージェントに「相手にされない」「対応が冷たい」と感じたら?も参考にしてください。
求人票でSESかを見分ける3つの欄
SESの求人かどうかは、求人票の3つの欄で見分けます。社名や「自社サービスあり」の一文だけでは判断できません。
就業場所と「変更の範囲」の欄
就業場所の欄は、最初に見るべき項目です。2024年4月の職業安定法施行規則の改正で、求人企業は「業務内容」と「就業場所」の変更の範囲も示すことになりました。厚生労働省の求職者向け資料では、変更の範囲を「将来の配置転換など今後の見込みも含めた」範囲と説明しています。
就業場所が「本社」の求人でも油断はできません。変更の範囲に「顧客先」「会社の定める場所」とあれば、客先常駐になる可能性があります。変更の範囲が書かれていない求人は、担当者に確認してください。
業務内容の書き方の欄
業務内容が「配属先のプロジェクトによる」のように幅広い場合は、SESの可能性が高くなります。自社サービスの開発なら、サービス名や担当する工程が具体的に書かれていることが多いからです。
事業内容と雇用形態の欄
事業内容に「システムエンジニアリングサービス」「技術者派遣」とあれば、客先での業務が中心の会社です。厚生労働省の資料では、派遣労働者として雇う場合は「雇用形態:派遣労働者」と示す必要があるとされています。正社員と書かれていても、派遣元の正社員として客先で働く形もあるため、雇用形態の欄だけで安心しないでください。
求人票の項目が足りないときも、黙って応募する必要はありません。同じ資料では、原則として面接など求職者と最初に接触する時点までに、すべての労働条件が示されることになっています。
担当者への伝え方と例文
担当者には「SESが嫌です」と言うより、何を避けたいかを具体的に伝えるほうが通じます。SESを避けたい理由は人によって違うからです。
避けたい理由の例は次のとおりです。
- 勤務地が案件ごとに変わるのを避けたい
- 開発の実務経験を早く積みたい
- 監視やテストだけの案件に長く置かれたくない
伝える内容が決まったら、次のように送ります。
「ご紹介ありがとうございます。今回は応募を見送らせてください。就業場所が案件ごとに変わる働き方は避けたいと考えています。自社内で開発する会社か、社内SEの求人があれば優先してご紹介いただけますか。未経験でそうした求人が少ない場合は、SESでも研修と案件の選び方が明確な会社であれば検討します」
最後の一文は、選択肢を完全に閉じないための一言です。自社開発だけに絞ると、未経験では紹介できる求人がほとんど無いと言われる場合があります。条件付きでSESを残しておくと、担当者も会社を選びやすくなります。
担当者に聞いておくと判断しやすい質問は次の4つです。
- この求人の就業場所と業務内容の「変更の範囲」は何ですか
- 入社後の最初の配属は自社内ですか、客先ですか
- 客先にいる間、仕事の指示は誰から受けますか
- 案件が決まらない期間の給与と業務はどうなりますか
3つ目の質問は、働き方が適正かを確かめるためのものです。厚生労働省のガイドでは、請負などの契約なのに注文主が労働者へ直接指揮命令している場合を「偽装請負」としています。面談で答えがあいまいな会社は、入社前にもう一度確認してください。4つ目の待機期間についてはSESに入社したのに案件が決まらない…で詳しく扱っています。
断った後に取れる3つの手
希望を伝えてもSESの求人しか来ない場合、取れる手は3つです。どれを選ぶかは、すぐ転職したいか、時間をかけてもよいかで変わります。
未経験IT転職 | SESの紹介が続くとき
断った後に取れる3つの手
どの手でも、求人票の変更の範囲は自分で確かめます
| 入社までの早さ | SES以外に近づく度合い | |
|---|---|---|
| 条件付きでSESも受ける 研修や案件の選び方で絞る | ○ 求人が多く進めやすい | △ 会社と案件しだい |
| 窓口を増やして比べる 別のエージェントや直接応募 | △ 比べる手間が増える | ○ 選べる求人が広がる |
| 職種の狙いを変える 社内SEや他の職種も見る | △ 準備に時間がかかる | △ 未経験可の求人は少なめ |
- ※どの手を選んでも転職できるとは限りません。年齢・地域・職種で難しさは変わります
IT転職ナビ
条件付きでSESも受ける
SESを入口にして、2〜3年で次へ移る道もあります。この道を選ぶなら、研修の内容と、最初の案件をどう決めるかを面接で聞いてください。監視やテストの案件から抜けにくい会社もあるため、開発の案件に入った人の割合を聞くと判断の材料になります。
窓口を増やして比べる
エージェントは会社ごとに扱う求人が違います。1社だけでは、その会社が持つ求人の偏りがそのまま自分の選択肢になります。別のエージェントに登録するか、企業の採用ページから直接応募すると、比べられる求人が増えます。同じ企業へ二重に応募しないよう、使い分けはエージェント経由と直接応募の使い分けを確認してください。
職種の狙いを変える
開発職にこだわらなければ、社内SEやヘルプデスクなど、自社内で働ける職種も候補になります。社内SEは未経験可の求人が多くないため、前職での業務改善やパソコン管理の経験を書類で示せる人に向いています。社内SEの仕事と難しさは未経験から社内SEに転職できる?で解説しています。自分に合う方向がまだ決まらない人は、IT/Web転職タイプ診断(無料)で候補を絞ってから求人を見ると迷いが減ります。
社内SEの求人を別の窓口で見る
自社内で働きたい人は、社内SEの求人を専門に扱う転職支援も比べる候補になります。総合型のエージェントでは社内SEの求人が埋もれやすく、専門の窓口を1つ足すとどんな条件の求人があるかを確かめられます。未経験の場合は紹介できる求人が少ないこともあるため、今のエージェントと並べて使ってください。
社内SEの求人でも、就業場所の変更の範囲は確認してください。グループ会社や取引先への出向がある会社もあります。
よくある質問
Q1. SESを何度も断るとエージェントに登録を切られる?
断った回数だけで登録が切られることは通常ありません。返信しないまま放置したり、面談の約束を守らなかったりするほうが、紹介が止まる原因になります。断るときは理由を一言添えれば十分です。
Q2. 「自社開発もやっているSES」はSESと考えるべき?
自社サービスを持つ会社でも、未経験者の配属先が客先ならSESと同じ働き方になります。会社の事業内容ではなく、自分が配属される場所と業務で判断してください。面接で「未経験入社の人の最初の配属先」を聞くと分かります。
Q3. エージェントを変えたら、SES以外の求人は増える?
増える場合もあれば、変わらない場合もあります。未経験向けの求人がSESに偏るのは、多くのエージェントに共通する傾向です。窓口を増やすのは、求人の数を増やすというより、条件を比べる材料を集める手段と考えてください。
Q4. 求人票の「変更の範囲」に何も書いていない場合は?
2024年4月以降、求人企業は業務内容と就業場所の変更の範囲を示すことになっています。書かれていなければ、担当者を通して企業に確認を頼んでください。最新の制度は厚生労働省の資料で確認できます(最終確認日:2026-10-27)。
まとめ
転職エージェントからSESばかり紹介されるときの要点は次の4つです。
- 紹介された求人は断ってよく、理由を一言返すほど次の紹介は絞られる
- 求人票の「就業場所の変更の範囲」「業務内容」「事業内容」でSESかを見分ける
- 担当者には「何を避けたいか」を具体的に伝え、条件付きでSESを残すかを決める
- 紹介が変わらなければ、窓口を増やすか、職種の狙いを変える
SESを受けるか断るかは、求人票と面談で確かめた事実をもとに自分で決められます。
参考情報
- 2024年4月から、募集広告や職業紹介を受ける際に明示される労働条件が追加されます(厚生労働省・求職者向け資料)
- 「労働者派遣・請負を適正に行うためのガイド」について(厚生労働省)
- 職業安定法(e-Gov法令検索)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、転職・収入を保証するものではありません。