エンジニア1年目で質問できない…聞くタイミングと聞き方の型
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未経験からエンジニアになって数か月。分からないことがあっても、先輩が忙しそうで声をかけられない。調べているうちに半日が過ぎ、夕方に「なんで早く聞かなかったの」と言われる。そんな状態が続いている人に向けた記事です。
先に結論を書きます。質問できないのは性格の問題ではなく、聞くタイミングと聞き方の型を知らないことが原因の大半です。 調べる時間に上限を決め、決まった型で書いて送れば、聞く側も答える側も負担が減ります。型を使っても「質問すると怒られる」「誰も答えない」なら、それは職場の問題として扱います。
質問できなくなる4つの原因
質問できない状態は、原因によって打つ手が変わります。まず自分がどれに近いかを見分けてください。
何が分からないか分からない
1年目に一番多いのがこの状態です。エラーの意味も、どこを見ればいいかも分からないため、質問の文章が作れません。聞きたいのに言葉にならず、結局ひとりで抱えてしまいます。
この原因には、次の章で紹介する「質問の型」が効きます。型に沿って埋めると、分かっていない部分が自然に見えてきます。
忙しそうで声をかけにくい
先輩がずっとキーボードを打っていたり、会議が続いていたりすると、話しかけるのをためらいます。リモート勤務なら、相手の状況が見えないぶん、さらに聞きにくくなります。
この原因は、聞く時間をまとめる工夫で減らせます。急ぎでない質問は1日1〜2回にまとめ、相手に時間を決めてもらいます。
「こんなことも分からないのか」と思われたくない
未経験で入った人ほど、できない自分を見せたくない気持ちが強くなります。特に年下の先輩に教わる場合は、気まずさも加わります。
ただ、現場の見方は逆です。PE-BANKは、経験10年以上のITフリーランス76人に新人について聞いています。新人に求める能力では「分からないことを適切に質問できる能力」が48.7%でした。聞かずに抱えるほうが、評価を下げやすい行動です。
職場が質問しにくい雰囲気になっている
同じ調査では、新人の成長を妨げる要因として「質問しにくい職場の雰囲気」が47.4%で最も多い回答でした。質問できないのは本人だけの問題ではないと、経験者の半数近くが見ています。
聞くたびにため息をつかれる、何度聞いても返事がないといった状態なら、型や工夫だけでは解決しません。後半の「職場側の問題を見分ける線」で確かめてください。
調べる時間に上限を決める
聞くタイミングで迷う人は、調べる時間の上限を先に決めると迷いがなくなります。たとえば「15〜30分調べて進まなければ聞く」のように決めます。チームで基準を決めている職場もあります。
上限を決めるときは、次の3つを確認しておきます。
- チームに「何分で聞く」という決まりがあるか
- 急ぎの作業かどうか(締め切りが近いなら上限を短くする)
- 調べた内容をメモに残しているか(質問の材料になる)
チームの決まりが分からなければ、それ自体を最初の質問にしてかまいません。「詰まったとき、どのくらい調べてから聞けばいいですか」と聞かれて困る先輩はいません。
エンジニア1年目 | 詰まったときの動き方
調べ続けるか すぐ聞くか
どれが合うかは作業の急ぎ具合とチームの決まりで変わります
| 自分の理解 | 先輩の負担 | 作業の遅れ | |
|---|---|---|---|
| ひとりで調べ続ける 上限を決めない | △ 解けたときは深く身につく | ○ その場の負担はない | × 半日止まることがある |
| すぐに聞く 調べる前に質問 | △ 答えだけ覚えがち | △ 回数が増えやすい | ○ 止まる時間は短い |
| 時間を区切って調べてから聞く 15〜30分が目安 | ○ 調べた分が理解に残る | ○ 要点がまとまり答えやすい | ○ 遅れを上限内に抑えられる |
- ※時間の目安は一般的な例です。チームに決まりがあればそちらを優先してください
IT転職ナビ
そのまま使える質問の型
質問の文章は、毎回同じ型で書くと速くなります。チャットでも口頭でも、次の5つを順に伝えます。
- やりたいこと:何を作ろうとしているか、何を直そうとしているか
- 起きていること:エラーの文章や画面の状態をそのまま
- 試したこと:調べたページ、変えた設定、その結果
- 自分の予想:どこが原因だと思っているか(外れていてかまわない)
- 急ぎ度:今日中に必要か、明日でもいいか
チャットで送る場合は、たとえば次のような文章になります。
ログイン画面の入力チェックを追加しています。保存ボタンを押すと「500エラー」が出ます。エラーログを見ると、データベースへの保存処理で止まっていました。項目名の打ち間違いを疑って見直しましたが、変わりませんでした。設定ファイルが原因かもしれないと考えています。今日の夕方までに直したいので、お手すきのときに10分ほどいただけますか。
「自分の予想」を書くのが苦手な人は多いです。ただ、予想が外れていても、先輩はどこで考え方がずれたかを一目で見つけられます。答えだけでなく調べ方まで教えてもらえる確率が上がります。
何が分からないか分からないとき
型の「起きていること」すら書けないときは、もっと手前で聞きます。「この作業を始めるとき、最初にどのファイルを見ればいいですか」のように、入口だけを聞く質問です。
入口が分かれば、そこから先は自分で調べられることが増えます。1回で全部を理解しようとせず、次の一歩だけを聞くと決めると声をかけやすくなります。
同じことを2回聞かないための工夫
聞いた内容は、その日のうちに自分用のメモに残します。2回目に同じことを聞くと、聞く側の気まずさが一気に増えるためです。
メモは、聞いた答えだけでなく「なぜそうするのか」まで書いておくと、似た問題にも使えます。年下の先輩に教わる気まずさが強い人は、年下の先輩に教わるのがつらいときの記事も参考になります。
職場側の問題を見分ける線
型を使って聞いても状況が変わらないなら、原因は職場の側にあります。次のどれかが続いているかを確かめてください。
- 質問すると毎回、人格を否定する言葉で責められる
- 何度聞いても返事がなく、質問できる相手がいない
- 教育係が決まっておらず、誰に聞けばいいか分からない
- 入社から数か月たっても、仕事の説明をほとんど受けていない
1つ目と2つ目は、内容によってはパワハラに当たります。厚生労働省の「あかるい職場応援団」では、パワハラの類型として「精神的な攻撃」と「人間関係からの切り離し」を挙げています。人格を否定する暴言や、無視・仲間外しが該当例です。
一方で、業務上必要な範囲の指導はパワハラに当たりません。厳しい口調で間違いを指摘されただけなら、まずは指導として受け止めて問題ありません。
判断に迷ったときの相談先
社内なら、直属の上司か、上司に言いにくければ人事に相談します。「質問できる相手を決めてほしい」「1日1回、質問の時間をもらえないか」と具体的にお願いすると、話が進みやすくなります。
社内で言いにくい内容なら、各都道府県の労働局にある総合労働相談コーナーが使えます。厚生労働省によると、パワハラやいじめを含む労働問題全般を、予約不要・無料で相談できます。
職場を変える選択肢
教育の仕組みがなく、上司に相談しても変わらない職場で、ひとりで耐え続ける必要はありません。1年目で質問できる環境がないまま働くと、身につくはずの基本が身につかず、次の転職でも苦労します。
ただし、辞める前に次の行き先を考えるほうが安全です。在職中に相談を始めておけば、焦って次の会社を決めずに済みます。第二新卒として相談できる窓口を使うのも1つの方法です。
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よくある質問
1日に何回まで質問していいですか
決まった回数はありません。回数より、同じことを2回聞かないことと、急ぎでない質問をまとめることのほうが大切です。気になるなら、先輩に「質問はまとめたほうがいいですか」と一度聞いておくと、その後は迷わずに済みます。
リモート勤務で質問しづらいときはどうすればいいですか
チャットで質問の型を使って送るのが基本です。文章で送れば、相手は手が空いたときに読めます。詰まりが長引くときは「10分ほど画面共有で見ていただけますか」と時間を区切ってお願いします。相手も予定を立てやすくなります。
質問しすぎて「少しは自分で考えて」と言われました
調べる時間の上限が短すぎるか、試したことが相手に伝わっていない可能性があります。次からは質問の型の「試したこと」と「自分の予想」を必ず書いてください。考えた跡が見えれば、同じ指摘は減ります。
質問できないのは、エンジニアに向いていないからですか
向き不向きとは別の話です。先に紹介した調査のとおり、質問の力は経験者が新人に求める能力の上位にあります。型を使って練習すれば、あとから伸ばせる力です。
まとめ
- 質問できない原因は「分からない点が言葉にならない」「忙しそうで聞けない」「できない自分を見せたくない」「職場の雰囲気」の4つに分けて考える
- 調べる時間は15〜30分などの上限を決め、チームの決まりがあればそちらに合わせる
- 質問は「やりたいこと・起きていること・試したこと・自分の予想・急ぎ度」の型で送る
- 型を使っても暴言や無視が続くなら職場の問題として、上司・人事や総合労働相談コーナーに相談する
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参考情報
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、転職・収入を保証するものではありません。