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SESに入った未経験1年目、自分の単価はいくら?会社に聞いていい?還元率と給料の関係を正直解説【2026年版】

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未経験からSES企業に入社して、はじめての現場に出る。半年ほど経って仕事に慣れてくると、多くの人が同じことを考えます。

「自分は、いくらで売られているんだろう」

きっかけは些細なことです。客先の社員がうっかり「御社は月◯◯万で入ってもらってるから」と口にした。先輩が飲み会で「単価上がったわ」と言っていた。あるいはネットで「SES 単価」と検索してしまった。

そこで会社に聞いてみると、はぐらかされる。「そういうのは気にしなくていいよ」「評価は総合的に決めてるから」。悪気があるとは限らないのですが、答えが返ってこないと、かえって疑いだけが濃くなります。

この記事では、SESのお金の流れと、単価が表に出にくい構造上・法律上の理由、自分の単価を推測する方法、そして「単価と給料が見合っていない」と分かった後にできることを整理します。数字を知ること自体が目的ではなく、次の一手を決めるための材料として使ってください。

そもそもSESの「単価」とは何のお金か

SES(システムエンジニアリングサービス)は、ざっくり言えば「エンジニアの作業時間を客先に提供し、その対価を会社が受け取る」契約です。お金の流れは3段階になります。

  1. 客先の会社が、あなたの所属会社に月額の料金(=これが一般に言う「単価」)を払う
  2. 所属会社が、そこから営業費・管理費・社会保険の会社負担分・利益などを差し引く
  3. 残りがあなたの給料として支払われる

つまり単価は「あなたの売上」であって「あなたの給料」ではありません。ここを混同すると、単価を知った瞬間に必要以上に腹が立ちます。会社が受け取る分のすべてが誰かの懐に入っているわけではなく、社会保険の会社負担分(給与のおおむね15%前後が別途かかります)、待機期間中の給与、営業の人件費、事務所や研修の費用などが含まれています。

単価に対して給料がどれくらいの割合か、を指して還元率と呼びます。「還元率70%」なら、単価50万円のうち35万円が給料、という計算です。ただしこの言葉には統一された定義がなく、社会保険の会社負担分を含めて計算するか除いて計算するかで数字が5〜10ポイント変わります。他社の還元率と比べるときは、この点に注意してください。

単価は教えてもらえるのか(法律上の位置づけ)

ここが一番誤解されやすいところです。結論から言うと、SESの会社には、あなたの単価を教える法律上の義務はありません。

似た働き方である「労働者派遣」には義務があります。労働者派遣法にもとづき、派遣元の会社は派遣料金と派遣労働者の賃金の差の割合(マージン率)などを情報提供することが義務づけられています。派遣会社のサイトに「マージン率」のページがあるのはこのためです。

一方、SESで一般的に使われる契約は民法上の準委任契約で、労働者派遣法の対象外です。そのため、マージン率や単価の開示義務は生じません。開示するかどうかは会社の方針しだい、ということになります。(最終確認日:2026-09-02)

働き方 | 自分の取り分の見えやすさ

SES・派遣・自社開発で「お金の見え方」はどう違うか

どれが良い悪いではなく、情報の出方が制度的に違います

自分の単価が分かるかお金の情報開示のルール給料の決まり方
SES(準委任契約) 未経験入社で最も多い 会社の方針しだい × 開示の法的義務はない 単価と連動する会社もある
労働者派遣 指揮命令は派遣先 平均値なら公開情報で分かる マージン率の情報提供が義務 時給ベースで比較しやすい
自社開発・社内SE 客先常駐ではない × そもそも単価の概念がない 等級・評価制度の公開は会社しだい 自社の評価制度で決まる
  • ※SESは民法上の準委任契約で、労働者派遣法のマージン率の情報提供義務の対象外です(最終確認日:2026-09-02)
  • ※同じSES企業でも、単価を全社員に開示している会社もあります。契約形態だけで会社の良し悪しは決まりません

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なお、公的な統計はSESではなく派遣についてのものしかありません。厚生労働省「労働者派遣事業報告書の集計結果(令和5年度)」では、派遣料金の平均が8時間換算で25,337円、派遣労働者の賃金の平均が8時間換算で16,190円と集計されています(マージン率の平均は約36.1%)。賃金は料金のおよそ64%にあたる計算です。これは派遣の数字であってSESの相場ではありませんが、「業界全体としてどのくらいの幅なのか」を考える出発点にはなります。(最終確認日:2026-09-02)

未経験から1年目のSESエンジニアの単価については、SES事業者やエージェントが運営するメディアで月30万〜40万円台が目安として説明されていることが多いですが、これは公的統計ではなく、案件・地域・商流によって上下します。「自分もこの範囲のはずだ」と決めつけないでください。

自分の単価を推測する4つの方法

「教える義務がない」ことと「知る方法がない」ことは別です。精度の順に4つ挙げます。

1. 会社に直接聞く(最も確実だが、聞き方が要る)

評価面談や1on1のタイミングで、感情を挟まずに聞くのが現実的です。ポイントは「疑っている」ではなく「今後の目標設定のために知りたい」という枠組みにすることです。

例:「来期の目標を自分で立てたいので、いまの単価と、単価が上がるとしたらどういう条件かを教えていただけますか」

開示している会社ならその場で答えが返ってきます。「答えられない」と言われた場合も、なぜ答えられないのか(方針なのか、客先との契約上の守秘なのか)を聞いておくと、会社の姿勢が分かります。

2. 手元の書類・システムから読み取る

勤怠システムの入力項目、注文書や注文請書の控え、客先の請求関連の書類に触れる立場であれば、金額が見えることがあります。ただし、これらは会社間の契約情報です。社外に持ち出したりSNSに書いたりするのは秘密保持義務の違反になり得ます。自分の判断材料として頭に入れるにとどめてください。

3. 同じスキル帯の案件相場を当たる

フリーランス向けの案件検索サイトやエージェントの公開案件には、スキル・工程ごとの月額単価が載っています。自分と近い条件の案件がいくらで募集されているかを見れば、おおよその水準がつかめます。

注意点が一つあります。フリーランス向けに公開されている単価は、会社員として常駐している場合の単価より高めに出るのが普通です(会社が間に入っていない分、経費や保証も自分持ちのため)。そのまま「自分の単価がこの額のはず」と考えると過大評価になります。

4. 転職エージェントに市場価格を聞く

転職する気が固まっていなくても、「いまの経験でどのくらいの求人が紹介対象になるか」は聞けます。単価そのものではありませんが、あなたの労働市場での評価額が分かるという意味では、実務的に一番役に立つ数字かもしれません。

自分がどの職種・どの働き方に向いていそうかを先に整理しておくと、面談での質問も具体的になります。方向性が曖昧な人はIT/Web転職タイプ診断(無料)で当たりをつけてから相談に進むとスムーズです。

単価が低くなる3つの原因

単価が思ったより低かったとしても、原因はあなたの能力だけではありません。主に3つあります。

① 商流の深さ。 客先から自社の間に、他の会社が何社挟まっているかです。間に入る各社がそれぞれ手数料を取るため、同じ人が同じ仕事をしても、商流が深いほど手元に残る額は小さくなります。これは個人の努力では動かしにくい要素で、会社を変えるほうが早いことが多い部分です。

② 担当している工程とスキル。 テスト・運用監視・ヘルプデスクなどの工程は単価が低めに設定されやすく、設計・開発、クラウド、セキュリティなどに寄るほど上がりやすい傾向があります。未経験入社で最初にテストや運用の現場に入るのは珍しいことではありませんが、そこに3年いると単価が上がらないまま年齢だけ進む、という状況になりがちです。

③ 会社の営業力と更新タイミング。 単価は基本的に契約更新のタイミングでしか変わりません。あなたの評価が現場で上がっていても、営業が客先に単価交渉をしなければ据え置きのままです。「現場では褒められているのに単価が動かない」場合、原因は現場ではなく自社側にあります。

単価を知った後にできること

数字が分かったら、次は行動です。現実的な選択肢は4つで、リスクの小さい順に並べます。

A. 社内で交渉する。 単価が上がっているのに給料が据え置きなら、これは正当な交渉材料です。逆に単価自体が上がっていないなら、給与交渉の前に「単価を上げるために何が必要か」を握るほうが順序として自然です。交渉の進め方は未経験のIT転職、給与交渉はどこまでできる?も参考にしてください。

B. 商流の浅い会社に移る。 同じスキルでも単価が変わる要素なので、効果が出やすい選択です。ただし転職面接で「商流の浅さ」を確認する質問をしないと、移った先も同じということが起こります。

C. 自社開発・社内SEを目指す。 単価という概念から離れ、自社の評価制度で給料が決まる働き方です。ただし未経験1年目で狙うにはハードルが高く、SESで2〜3年の実務を積んでから、という順序になることが多いです。

D. フリーランスになる。 手取りは上がりやすい一方、営業・契約・税務・空白期間のリスクをすべて自分で負います。実務1年程度で選ぶのは、一般的にはおすすめできません。

どれを選ぶにしても、まず自分の市場価格を知るところからです。20代でIT業界内での次の一手を考えているなら、未経験・若手のIT就職に特化したエージェントに一度相談して、いまの経験でどんな求人が対象になるかを確認しておくと判断材料が増えます。

エージェントに相談したからといって、すぐ転職しなければならないわけではありません。ただし、相談すれば求人を勧められる立場であることは理解した上で使ってください。紹介された求人をそのまま受けるのではなく、「いまの自分がどの層の求人に届くのか」を測るつもりで臨むと、冷静に判断できます。

よくある質問

Q. 単価を聞いたら、会社での評価が下がりませんか?

A. 聞き方によります。「自分はいくらで売られているんですか」と詰問すれば当然印象は悪くなりますが、「今後の目標設定のために知りたい」という文脈なら、多くの会社では普通の質問です。それでも露骨に不機嫌になる会社なら、その反応自体が情報になります。

Q. 単価を教えてくれない会社はブラックですか?

A. そうとは限りません。客先との契約で金額の守秘が定められている場合もありますし、単価が個人ごとに違うため社内の不公平感を避けたい、という運営上の判断もあります。判断材料にすべきは開示の有無だけではなく、評価基準と昇給のルールが説明されるかどうかです。単価は教えられなくても「どうすれば給料が上がるか」を説明できる会社は少なくありません。

Q. 未経験1年目の単価はいくらが普通ですか?

A. 公的な統計がないため「普通」を断定できません。事業者メディアでは月30万〜40万円台が目安として挙げられることが多いですが、案件の工程、地域、商流の深さで大きく変わります。金額の絶対値より、同じ会社の中で年次とともに上がる仕組みがあるかを見るほうが実用的です。

Q. 単価が上がれば、給料も自動的に上がりますか?

A. 会社によります。単価連動の給与テーブルを持つ会社もあれば、単価と給与を完全に切り離して等級で運用する会社もあります。入社時の労働条件通知書や就業規則に昇給の条件が書かれているので、まずそこを確認してください。

まとめ

  • SESの「単価」はあなたの売上であって給料ではない。差額のすべてが会社の利益というわけでもない
  • SESは準委任契約で、労働者派遣法のマージン率の情報提供義務の対象外。教えてもらえないこと自体は違法ではない
  • 自分の単価は、会社に聞く/手元の書類/案件相場/エージェントの4方向から推測できる
  • 単価が低い原因は、商流の深さ・担当工程・会社の営業力の3つが大きい。個人の努力だけでは動かない部分がある
  • 数字が分かったら、社内交渉・商流の浅い会社・自社開発・独立の順にリスクを見て選ぶ。1年目で独立を選ぶのは一般的には早い

単価を知ることのいちばんの価値は、金額そのものではなく、「いまの環境で自分の評価が正しく値付けされているか」を確かめられることです。確かめた上で残る選択も、動く選択も、どちらもあり得ます。

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参考情報

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、転職・収入を保証するものではありません。