副業の継続案件を突然打ち切られた…30日前予告と確かめ方
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副業の継続案件を突然打ち切られた…30日前予告と確かめ方

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半年以上、毎月の動画編集を任されていたクライアントから「来月から依頼はなしで」とチャットが1通だけ届いた。副業の収入の大半がその案件だったので、どうしたらいいか分からない。そんな人に向けた記事です。

結論から書きます。発注者に従業員がいて、取引が6か月以上続いていたなら、発注者は打ち切りの30日前までに予告する義務があります(フリーランス法16条)。予告日から契約の終わりまでの間なら、打ち切りの理由を書面やメールで開示するよう求めることもできます。一方で、取引が6か月未満の場合や、発注者が従業員のいない個人の場合は、この義務の対象外です。

30日前予告が必要になる3つの条件

30日前予告の義務がかかるのは、次の3つがすべてそろうときです。

  • 発注者に従業員がいる:従業員を使う個人事業主か、役員が2人以上いるか従業員を使う法人(法2条6項)
  • 自分が従業員を使っていない:副業で1人で受けている個人は、ほとんどがこの立場(法2条1項)
  • 取引が6か月以上続いている:1件の契約が6か月以上か、更新を重ねて6か月以上になったもの(法13条・施行令3条)

条件の3つ目は、毎月1本ずつ別の契約で受けている場合も数えられます。公正取引委員会のQ&A(Q64)によると、同じ相手と似た内容の仕事を続け、契約と契約の空白が1か月未満なら、続いた取引として通算します。期間は、最初の契約を結んだ日から、最後の納品日や契約の終了日までで数えます(Q60)。

30日の数え方

公正取引委員会のQ&A(Q107)では、予告した日から打ち切り日の前日までに、30日を確保する必要があるとしています。Q&Aの例では、8月31日で打ち切るなら8月1日までに予告します。「来月から依頼なし」という連絡が月末に届いた場合は、30日に足りない可能性があります。

予告の方法

予告は、書面・ファクス・電子メール等のどれかでする決まりです(厚生労働省関係施行規則3条)。電子メール等は、受け取った側が印刷して書面にできるものに限られます。公正取引委員会のQ&A(Q114)でも、記録に残せない方法での予告は認められないとしています。電話や打ち合わせで口頭で言われただけなら、あとから文面で送ってもらうよう頼みます。

予告がいらない例外と対象外のケース

条件がそろっていても、予告なしの打ち切りが認められる例外があります。厚生労働省関係施行規則4条は、次の5つを挙げています。

  • 災害など、やむを得ない理由で予告が難しい場合
  • 発注者自身が元の取引先から契約を切られ、任せていた仕事の大部分がいらなくなった場合
  • 基本契約や更新で続く取引で、契約期間が30日以下の1件の契約を解除する場合
  • フリーランス側に責任があり、すぐに解除が必要な場合
  • 基本契約があり、フリーランス側の事情で長い間発注していない場合

4つ目の「フリーランス側の責任」について、公正取引委員会のQ&A(Q113)は例を挙げています。契約違反を直すよう求められても応じない場合や、取引先への暴言・嫌がらせなどです。「予算が減った」という発注者側の事情は、Q&Aの例には入っていません。

副業の継続案件 | 突然の打ち切り

30日前予告が必要かどうかの目安

発注者・期間・打ち切りの理由の3点で決まります

30日前予告理由の開示請求確かめること
従業員のいる発注者と6か月以上 空白1か月未満の更新を含む ○ 必要 ○ できる ○ 予告日と打ち切り日の間隔
1件ごとの契約が30日以下 毎月の単発契約を更新している △ 例外に当たる場合がある △ 予告がされた場合のみ △ 契約の形を窓口で確認
取引が6か月未満 始めて数か月の継続案件 × 義務の対象外 × 義務の対象外 △ 契約書の解除条項
発注者が従業員のいない個人 個人同士の取引 × 義務の対象外 × 義務の対象外 △ 契約書の解除条項
  • ※条件は特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律16条と厚生労働省関係施行規則4条にもとづく目安です。
  • ※自分の取引が当てはまるかは、契約の中身で変わります。迷うときはフリーランス・トラブル110番に確認してください。

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予告がなくても打ち切り自体は止まらない

30日前予告がなかったからといって、打ち切りが無効になるとは限りません。公正取引委員会のQ&A(Q108)は、予告の義務に違反しても解除の効力に直接は影響しないとしています。打ち切りが有効かどうかは、民事上の争いとして別に判断されます。

フリーランス法でできるのは、違反を国に申し出て、発注者に指導や勧告をしてもらうことです。失った30日分の報酬を取り戻したい場合は、話し合いか、次の章の和解あっせんを使います。

打ち切りを告げられたらする4つのこと

打ち切りの連絡が来たら、感情的に返信する前に次の順で動きます。

  1. 連絡を保存する:チャットやメールの画面を、日時が分かる形で保存する
  2. 取引の期間を数える:最初の契約日と、これまでの発注の間隔を書き出す
  3. 発注者の規模を確かめる:会社のサイトや求人情報で、従業員がいるかを見る
  4. 契約書の解除条項を読む:30日より長い予告期間を決めている場合もある

理由の開示を求める文面

条件に当てはまるなら、予告された日から契約が終わる日までの間に、打ち切りの理由を聞けます(法16条2項)。発注者は、書面・ファクス・メールのどれかで、遅れずに開示する義務があります。ただし、第三者の利益を害するおそれがある場合などは開示しなくてよいとされています(厚生労働省関係施行規則6条)。

いつもお世話になっております。○月○日にご連絡いただいた、今後のご依頼終了の件について確認させてください。今後の参考にしたいため、契約終了の理由をメールでお知らせいただけますでしょうか。また、取引は○年○月から続いておりますので、終了日についてもご相談できれば幸いです。

理由を聞くのは、次の仕事で同じことを起こさないためでもあります。品質の問題なら直せますが、発注者の予算や方針の都合なら、自分では防げません。

相談先

打ち切りの扱いで迷ったら、フリーランス・トラブル110番に相談できます。厚生労働省の委託で第二東京弁護士会が運営し、相談料は無料です。電話は0120-532-110で、受付は平日の9時30分から16時30分です。弁護士が間に入る和解あっせんも、無料で申し込めます。

発注者の違反を国に申し出る場合は、法17条にもとづき、発注者の事業所がある地域の都道府県労働局が窓口です(厚生労働省関係施行規則8条)。申し出の前に、110番で自分の取引が対象になるかを確かめておくと話が早く進みます。

次の収入源を作るまでの動き方

打ち切りは、取引先が1社だけの副業で起きると収入がそのまま止まります。30日前予告があっても、30日で次の案件を見つけるのは簡単ではありません。

取引先を2社以上にする

収入の大半を1社が占めている状態は、打ち切りのたびに同じ問題が起きます。次の案件では、継続案件を1社、単発案件を別の1社というように、相手を分けて受けます。クラウドソーシングで提案が通らないときの直し方はクラウドソーシングで提案が通らないときの5つの原因で整理しています。

打ち切られた案件を実績にする

半年以上続いた継続案件は、それ自体が「継続して任された実績」になります。新しい相手への提案では、期間・本数・担当した工程を数字で書きます。ただし、納品物を公開してよいかは元の契約で決まります。掲載の確かめ方は動画編集の副業で納品した動画をポートフォリオに載せていいかにまとめています。

副業の経験を本業の転職につなげたい人は、IT/Web転職タイプ診断(無料)で合う職種を確かめる方法もあります。

よくある質問

クラウドソーシング経由の案件にも30日前予告はありますか

発注者が従業員のいる事業者で、取引が6か月以上続いていれば対象になり得ます。予告の義務を負うのは、サービスの運営会社ではなく仕事を頼んだ発注者です。発注者が個人の場合は、従業員がいるかどうかで変わります。サービス上の契約の扱いは、各サービスのヘルプでも確かめておきます。

「今月で終わり」と言われました。30日分の報酬はもらえますか

フリーランス法は、予告がなかった場合に30日分の報酬を払う決まりを置いていません。予告の義務違反は、国による指導や勧告の対象になります。報酬の話は、契約書の解除条項をもとに発注者と話し合うか、和解あっせんを使います。

作業途中の案件の報酬はどうなりますか

作業済みの分の扱いは、契約書の定めと発注者との話し合いで決まります。作業の量が分かるデータとやり取りの記録を残しておきます。途中で打ち切られて払われない場合の催促の仕方は、動画編集の副業で報酬が払われないときの催促と相談先で扱っています。

単価を下げる代わりに続けると言われたらどうしますか

一方的な値下げに、その場で応じる必要はありません。対象は、従業員のいる発注者が1か月以上の期間で頼んだ仕事です。フリーランス法は、こちらに責任がないのに決めた報酬を後から減らすことを禁じています(法5条・施行令1条)。これから受ける仕事の単価交渉なら、続けるかどうかを自分の時給で判断します。

まとめ

  • 従業員のいる発注者と6か月以上続いた取引なら、打ち切りには30日前の予告が必要
  • 毎月の別契約でも、空白が1か月未満なら続いた取引として数える
  • 予告日から契約の終わりまでの間なら、理由の開示をメールなどで求められる
  • 予告がなくても打ち切りが無効になるとは限らず、効力は民事で判断される
  • 迷ったらフリーランス・トラブル110番(無料)に、自分の取引が対象か確かめる
  • 次の案件からは、取引先を2社以上に分けて収入の止まり方を小さくする

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参考情報

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、転職・収入を保証するものではありません。法律の当てはめは個別の事情で変わるため、具体的な判断は専門の窓口にご相談ください。